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那須といえば茶臼岳がよく知られているが、これに朝日岳と最高峰である 三本槍岳を加えたものを那須三山という。那須岳を語るからには、やはり 最高峰の三本槍岳を踏まなければ意味がない。そこで、茶臼岳と朝日岳を セットで那須三山踏破をすることに決めた。
9時に那須ロープウェイ山麓駅の県営駐車場に到着。ゴールデンウィーク中でまずまずの天気のため、ロープウェイ乗り場には 大勢の人が並んでいた。この列に加わり山頂駅に到着、9時35分に登山開始。なかなかの登山日和である。まずは目の前にあ る茶臼岳に向かった。それほど斜度はないが、ややザレた滑りやすい道を家族連れや爺さん婆さんがどんどん登っていく。あっ という間に山頂に到着した。とてもいい眺めで、右手にはこれから目指す朝日岳のゴツゴツした姿が見える。混雑してきそうな のでさっさと下ることにした。噴煙を上げる火口壁の脇を通って峰の茶屋への分岐へ、そこから峰の茶屋までは快適に歩くこと ができた。ここは那須登山の要所で、三斗小屋温泉やロープウェイ山麓駅や朝日岳、三本槍岳方面へと分かれている。ここから が本番である。まずは剣が峰の下を行く恐怖の雪渓トラバースだ。といっても実は楽しみにしていたところで、雪が付いている 時に来れたので良かった。足跡を外さないように慎重に進まなければならない。滑落すれば一気に急降下間違いなしだろう。こ れを2ヶ所越えるとその先は岩場を左に巻いていき、さらに鎖場を登ると、やがて朝日の肩である。小休止のあと朝日岳への急登 を一気に登るが、たいした距離ではないのですぐに山頂に立つことができた。朝日岳からは360度の眺めが素晴らしい。茶臼 岳、三本槍岳、隠居倉、遠くには奥会津や上越国境の雪を被った山々を見ることができた。一旦、朝日の肩まで戻り最後の三本 槍岳を目指す。熊見曽根の分岐まで登り返し、1900mピークを過ぎると眼下には清水平が現れた。真ん中に木道が敷かれて おり、その向こうには三本槍岳のなだらかな山容がお出迎えだ。清水平の木道は所々荒れており注意が必要だった。ここまで来 ると登山者の数はかなり少なくなる。時間的なこともあるのだろうが、茶臼岳と朝日岳にしか行かない登山者も多いのだろう か。この先から道はヌタヌタ状態で足元は泥だらけだ。さらに残雪がかなりあり、つぼ足でもクサレ雪を踏み抜き、腰まで埋ま ってしまうことが度々あった。脱出するのに無駄に体力を消耗した。朝日岳からは思いのほか時間が掛かったが最後の急登を越 えると遂に三本槍岳山頂に到着した。先客は2人組のロシア人らしき人で食事の最中だった。ロシア語でお願いすると快く写真 を撮ってくれた。山頂は意外と広い。それほど標高に違いはないのだが位置がいいのだろうか、眺望の良さはここが一番だ。目 の前には大倉山や流石山、旭岳や甲子山が、遠く北には磐梯吾妻や飯豊山地を望むことができた。帰りは峰の茶屋からロープウ ェイ山麓駅まで下って那須岳の山行を終えた。 ![]() ![]() 那須ロープウェイに到着 まずは茶臼岳を目指す ![]() ![]() 茶臼岳にはあっという間に到着 良い眺めだが、人が多いのですぐに出発 ![]() ![]() 峰の茶屋に下り、次は朝日岳だ 恐怖の雪渓トラバース ![]() ![]() 茶臼岳を振り返る 朝日岳の肩で小休止 ![]() ![]() 朝日岳に到着 360度の眺望がすごい ![]() ![]() 緩やかに続く清水平だが、足場がかなり悪かった 今日の目的地である三本槍岳 ![]() ![]() 大倉山と流石山 磐梯吾妻の山並み。どこを見ても最高の眺めだ <山行後記> 那須三山はそれぞれ個性があり、変化のある山歩きを楽しむことができた。特に岩稜帯 を行くスリリングな朝日岳、湿地帯や草原の中を行く穏やかな三本槍岳といった環境の 変化が良かった。山頂からの眺望はどこも素晴らしいが、より静かな山行を楽しむには 是非とも三本槍岳まで行ったほうがいいだろう。 ![]() |
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