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いつものように谷川岳ロープウェイに乗って天神平に降り立った。思った通り、まだ雪はたっぷりあり、ゲレンデではスキーヤ ーやボーダーが思いおもいのシュプールを描いていた。谷川岳は6年前の5月にも一度訪れたことがあるが、今回のほうが若干
時季は早いとはいえ残雪はだんぜん多い。予想通り天気は申し分なく、これまでの谷川岳で一番の快晴と言える。目指すトマの
耳も良く見える。2、3組のグループが登って行く後についてこちらも早速歩き出した。まずはスキー場右方向に延びる夏道を
登って行く。腐った雪の急斜面はとてもきつく、歩き出してから数分で息が上がってしまった。呼吸を整えながらゆっくりと登
って行くが、アイゼンなしではどうにもならなくなり、早くもここでアイゼンを装着することにした。スタートしてから30分、
かなり体力を費やしたが、ようやく尾根に出ることが出来た。ここから先は斜面も落ち着き、快適に歩けるだろう。ひと息つい
たところで出発する。見晴らしの良い尾根道からは、山頂方向の眺めが手に取るようだ。振り返ると天神平がだいぶ小さくなっ
ている。樹林帯をトラバースするところでは、木の枝がルート上に倒れていたり、ブッシュが出ていたりでこれを越えていくの
に難儀した。また、ところどころ雪が割れている箇所もあり、足元に注意しなければならない。天神峠からのコースと合流し、
しばらく行くと熊穴沢避難小屋に到着となった。ここまで1時間10分、なかなか良いペースか。雪の上に腰をおろし小休止し
た。小屋の先の急斜面を越えると、雪の消えた岩場が現れた。アイゼンをゴリゴリいわせながら進んで行くが、この感触はあま
り好きになれない。アイゼンを履いていなければスイスイ歩けるのだが。天狗の留まり場を過ぎると目の前には山頂方向へと見
晴らしの良い天神尾根が続いていた。そこに何人かの登山者が列を成している。青空に向かって真っすぐに伸びるスロープは胸
のすく眺めだ。右側にはほとんど踏み跡のない綺麗な斜面が広がっている。スキーで滑り降りてみたい衝動に駆られる。周りは
すでに最高な眺望で、右に目を向ければ白毛門、左には俎ーが大きく迫っている。足を止めると吹く風が冷たいので、ゆっくり
でも進んで行く。見晴らしが良いせいか、なかなか山頂方向が近付いてこない。しかし、スローペースながらもようやく天神ザ
ンゲ岩までやってきた。あとは目の前の急登を越えれば肩の小屋にでるはずだ。ここは最後まで雪が残っているところで、辺り
一面踏み跡だらけでとても歩きづらい。おまけに緩んだ雪はアイゼンが利いてくれない。その肩の小屋へは3時間弱で到着した。
ここまで来れば山頂はすぐそこだ。一服したあと歩き出すと、間もなく谷川岳トマの耳に着いた。山頂は多くの人で賑わってい
た。今日は朝からここまで快晴が続いており、最高の眺望が得られる。オキの耳から続く稜線は一ノ倉岳、茂倉岳へ。遥か谷底
に流れる湯檜曽川。その上には白毛門と笠ケ岳。肩の小屋を振り返れば、その先には俎ーが独特の姿を見せる。隣には仙ノ倉山、
平標山へと稜線が延びている。これらのルートはいつか歩いてみたいものだ。その他、上越国境の名だたる山々も一望できる。
これまでの谷川岳で一番の眺めと言える。山頂からの眺めをたっぷり堪能した後、肩の小屋へ戻り、昼食を食べ下山の途につい
た。
![]() ![]() ![]() 天神平から出発 超快晴で山頂もバッチリ見える はじめの30分はかなりきつかった 天神峠までリフトを使えばよかった ![]() ![]() ![]() 尾根に乗ると快適に歩ける RW山麓駅と向こうに白毛門を望む ところどころにブッシュや岩場が現れる ![]() ![]() ![]() 熊穴沢避難小屋で小休止する 小屋から先は岩場で歩きづらい 天神平がだいぶ小さくなってきた ![]() ![]() 次第に俎ーの高さに近づいてきた 空へと続く天神尾根 快適に歩けそうだが、結構きつかった ![]() ![]() 天神ザンゲ岩の手前あたりから振り返る 肩の小屋に到着。休憩や食事をする人で賑わう 眼下に沼田市方面が俯瞰できる ![]() ![]() ここまで来れば山頂はすぐそこ 3時間5分で谷川岳トマの耳に到着
広い斜面はどこを歩いても大丈夫
![]() ![]() オキの耳への稜線。その先は一ノ倉岳、茂倉岳へと続く 左側に巻機山、右側に朝日岳と笠ケ岳
谷川岳のメインルートだ 中央奥には越後駒ケ岳と中岳
![]() ![]() 山頂で寛ぐ人たち。向こうに浅間山がうっすらと見える 平標山へと延びる尾根道。右奥には苗場山 ここもいつか歩いてみたい
![]() 手前からのルートはオジカ沢の頭、万太郎山、仙ノ倉岳を経て平標山へ
左には存在感抜群の俎ーが、なんだかとても格好良い。正面奥には草津白根山
![]() ![]() 至仏岳、燧ケ岳、会津駒ケ岳などの尾瀬方向の眺め オキの耳にいる人たち
今回はオキの耳には行かない
<山行後記> 今年初めての山行は天候に恵まれ、これからの登山シーズンに向けて幸先の良いスター トとなった。谷川岳は3回目にして一番素晴らしい景色を望むことが出来た。また、残
雪時季とはいえ、久しぶりに雪上を歩けたのも良かった。ルートは岩場やブッシュなど、
一部に歩きづらいところはあったが、アイゼンを使っての登行は問題ない。次回はもう
少し雪の積もっている3月頃にでも、本格的に雪山を歩いてみたい。
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