25谷川岳B


 超快晴の谷川岳で残雪登山を楽しむ
たにがわだけ


(1977m)
                                                                                    群馬県みなかみ町
                                                                                    新潟県南魚沼郡湯沢町



今年初めての山歩きはゴールデンウィークと決めていた。
その中でも天気の一番良さそうな日を選んで行くことにした。
これから始まる本格的な登山シーズンに向けての準備でもある。
お目当ての谷川岳はこの時季、まだ残雪がたっぷりあるので久しぶりに雪山歩きが楽しめそうだ。


 2013年5月5日    

 ・コース
  RW天神平⇔熊穴沢避難小屋⇔天狗の留まり場
  ⇔肩ノ小屋⇔トマの耳

 ・行き 3時間5分 、 帰り 1時間35分

 ・標高差 653m トマの耳(1963m)まで

 ・歩程 7.8km
  


いつものように谷川岳ロープウェイに乗って天神平に降り立った。思った通り、まだ雪はたっぷりあり、ゲレンデではスキーヤ
ーやボーダーが思いおもいのシュプールを描いていた。谷川岳は6年前の5月にも一度訪れたことがあるが、今回のほうが若干
時季は早いとはいえ残雪はだんぜん多い。予想通り天気は申し分なく、これまでの谷川岳で一番の快晴と言える。目指すトマの
耳も良く見える。2、3組のグループが登って行く後についてこちらも早速歩き出した。まずはスキー場右方向に延びる夏道を
登って行く。腐った雪の急斜面はとてもきつく、歩き出してから数分で息が上がってしまった。呼吸を整えながらゆっくりと登
って行くが、アイゼンなしではどうにもならなくなり、早くもここでアイゼンを装着することにした。スタートしてから30分、
かなり体力を費やしたが、ようやく尾根に出ることが出来た。ここから先は斜面も落ち着き、快適に歩けるだろう。ひと息つい
たところで出発する。見晴らしの良い尾根道からは、山頂方向の眺めが手に取るようだ。振り返ると天神平がだいぶ小さくなっ
ている。樹林帯をトラバースするところでは、木の枝がルート上に倒れていたり、ブッシュが出ていたりでこれを越えていくの
に難儀した。また、ところどころ雪が割れている箇所もあり、足元に注意しなければならない。天神峠からのコースと合流し、
しばらく行くと熊穴沢避難小屋に到着となった。ここまで1時間10分、なかなか良いペースか。雪の上に腰をおろし小休止し
た。小屋の先の急斜面を越えると、雪の消えた岩場が現れた。アイゼンをゴリゴリいわせながら進んで行くが、この感触はあま
り好きになれない。アイゼンを履いていなければスイスイ歩けるのだが。天狗の留まり場を過ぎると目の前には山頂方向へと見
晴らしの良い天神尾根が続いていた。そこに何人かの登山者が列を成している。青空に向かって真っすぐに伸びるスロープは胸
のすく眺めだ。右側にはほとんど踏み跡のない綺麗な斜面が広がっている。スキーで滑り降りてみたい衝動に駆られる。周りは
すでに最高な眺望で、右に目を向ければ白毛門、左には俎ーが大きく迫っている。足を止めると吹く風が冷たいので、ゆっくり
でも進んで行く。見晴らしが良いせいか、なかなか山頂方向が近付いてこない。しかし、スローペースながらもようやく天神ザ
ンゲ岩までやってきた。あとは目の前の急登を越えれば肩の小屋にでるはずだ。ここは最後まで雪が残っているところで、辺り
一面踏み跡だらけでとても歩きづらい。おまけに緩んだ雪はアイゼンが利いてくれない。その肩の小屋へは3時間弱で到着した。
ここまで来れば山頂はすぐそこだ。一服したあと歩き出すと、間もなく谷川岳トマの耳に着いた。山頂は多くの人で賑わってい
た。今日は朝からここまで快晴が続いており、最高の眺望が得られる。オキの耳から続く稜線は一ノ倉岳、茂倉岳へ。遥か谷底
に流れる湯檜曽川。その上には白毛門と笠ケ岳。肩の小屋を振り返れば、その先には俎ーが独特の姿を見せる。隣には仙ノ倉山、
平標山へと稜線が延びている。これらのルートはいつか歩いてみたいものだ。その他、上越国境の名だたる山々も一望できる。
これまでの谷川岳で一番の眺めと言える。山頂からの眺めをたっぷり堪能した後、肩の小屋へ戻り、昼食を食べ下山の途につい
た。


  
         天神平から出発             超快晴で山頂もバッチリ見える         はじめの30分はかなりきつかった
                                                            天神峠までリフトを使えばよかった
  
     尾根に乗ると快適に歩ける          RW山麓駅と向こうに白毛門を望む      ところどころにブッシュや岩場が現れる

  
     熊穴沢避難小屋で小休止する          小屋から先は岩場で歩きづらい         天神平がだいぶ小さくなってきた

  
          次第に俎ーの高さに近づいてきた                           空へと続く天神尾根
                                                     快適に歩けそうだが、結構きつかった
 
         天神ザンゲ岩の手前あたりから振り返る               肩の小屋に到着。休憩や食事をする人で賑わう
            眼下に沼田市方面が俯瞰できる
 
           ここまで来れば山頂はすぐそこ                       3時間5分で谷川岳トマの耳に到着
          広い斜面はどこを歩いても大丈夫
 
    オキの耳への稜線。その先は一ノ倉岳、茂倉岳へと続く             左側に巻機山、右側に朝日岳と笠ケ岳
             谷川岳のメインルートだ                          中央奥には越後駒ケ岳と中岳
 
     山頂で寛ぐ人たち。向こうに浅間山がうっすらと見える             平標山へと延びる尾根道。右奥には苗場山
                                                       ここもいつか歩いてみたい
  
                    手前からのルートはオジカ沢の頭、万太郎山、仙ノ倉岳を経て平標山へ
                  左には存在感抜群の俎ーが、なんだかとても格好良い。正面奥には草津白根山
 
     至仏岳、燧ケ岳、会津駒ケ岳などの尾瀬方向の眺め                   オキの耳にいる人たち
                                                      今回はオキの耳には行かない




        <山行後記>
          今年初めての山行は天候に恵まれ、これからの登山シーズンに向けて幸先の良いスター
          トとなった。谷川岳は3回目にして一番素晴らしい景色を望むことが出来た。また、残
          雪時季とはいえ、久しぶりに雪上を歩けたのも良かった。ルートは岩場やブッシュなど、
          一部に歩きづらいところはあったが、アイゼンを使っての登行は問題ない。次回はもう
          少し雪の積もっている3月頃にでも、本格的に雪山を歩いてみたい。






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