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日光白根山は標高2578m、日光火山群のひとつで、関東以北では 最も高い山である。山頂ドームの独特な山容はどこから見てもそれと 判るほど存在感があり、まさに日光のランドマークである。
前回の谷川岳はどこか消化不良に終わってしまった観があった。今日は天気が良さそうなので残雪を求めて奥白根山へやって来 た。 登山ルートは丸沼高原からロープウェイを使えば一気に2000mまで行けるのだが、ロープウェイはしばらく運休していると いう。今回は手抜き登山をするつもりはないので菅沼登山口から入ることにした。9時30分登山開始。すでに残雪がたくさん ある。青く晴れ渡った空のした、はじめは遊歩道のような平地を行くが、すぐに急登が始まった。かなり雪が積もっていてよく 分からないが、大きな岩がたくさんあるようだ。このようなところは雪で段差が無くなって登りやすいのだが、油断していると ズボッと踏み抜いてしまい脱出するのに骨が折れた。今回は1人分のトレースがしっかり付いていたので、これを追っていっ た。また、所々に目印テープもあったのでルート確認は問題なかった。歩き始めて1時間、無雪期なら結構距離を稼げているは ずだが、雪に阻まれてなかなか距離が伸びない。おまけにこの急登だ。かなり堪える。だが時おり右手には沼が見下ろせ、その 向こうの山と同じくらいの高さまで登ってきたようだ。明るい樹林帯の中をひたすら登り続ける。呼吸を整えるために立ち止ま るの繰り返し。通常のコースタイムなら、この先の目標地点である弥陀ケ池までは2時間くらいだと思ったが、着く気配がまっ たくしない。天気が良いので焦らずにゆっくり歩くことにした。やがて行く手が拓け、目の前には広い空間が現れた。よく見て みると結氷している池だと分かった。これが弥陀ケ池だ。澄み切った青空の下、静まり返った凛とした空気の中にしばし佇む。 なんと素晴らしい時間だろう。そして池の向こうには遂に奥白根山の山頂付近が姿を現した。キターッと思わず叫びたくなる一 瞬だ。ここまですでに2時間半近く、これからあそこまで登るのか、と気合を入れて出発した。右側は座禅山へ続く道だが、左 の斜面をラッセルしながら登って行くと樹林帯を抜け、山頂直下の取り付きになった。うしろを振り返ると燧ケ岳や至仏山が頭 を覗かせている。この後の眺望に期待が膨らむ。ここから山頂までは雪渓をしばらく直登しなければならず、かなりしんどい思 いをした。その後、岩場を越えると遂に山頂に到着した。と思ったら向こう側のほうが高そうだし、山頂標らしきものが建って いるではないか。登り返してそちらに行くと、本当の山頂に到着した。山頂には誰もいなかったが、すぐに一人やって来た。千 葉から来たという青年で、明日は男体山に登るという。ここまで約4時間、雪の中をひたすら登って来たのでかなり疲れたが、こ こからの景色を目にした途端、その疲れも一挙に吹き飛んでしまう気がした。360度の超絶景である。会津駒ケ岳、燧ケ岳、 至仏山、武尊山といった尾瀬の名峰が、その向こうに谷川岳、苗場山、巻機山といった上越国境の山々が、そして反対側には中 禅寺湖と男体山、女峰山、大真名子山など日光連山が一望できた。いつまでも見ていたい、飽きることのない眺めだ。山頂は火 口壁の一部のようで、その下には火口の跡らしきものを見ることができた。その向こうから一人のおじさんが登って来るところ だ。そろそろこの眺めに別れを告げ、下山時は雪の斜面を一気に高速下山した。 ![]() ![]() 菅沼登山口にはすでに雪が積もっている この急登は残雪を踏み抜いてしまい大変だった ![]() ![]() 徐々に展望が開けてきた 快晴のもとのんびりと登っていく ![]() ![]() 山頂の溶岩ドームが現れた ようやく弥陀ケ池までやってきた ![]() ![]() 尾瀬の山々の眺望 山頂直下の雪渓にとりかかる ![]() ![]() 4時間で奥白根山に到着。雄大な眺めが展開する 中禅寺湖と男体山 ![]() ![]() 五色沼と向こうには大真名子山 前白根山 ![]() 手前に菅沼、奥には会津駒ケ岳、燧ケ岳、至仏山が連なる。すごい眺めだ ![]() ![]() 武尊山の全景 燧ケ岳のアップ <山行後記> 登山口から山頂までかなりの残雪で、時間はかかったが楽しく雪山を歩くことができた。 天気も良く、とても静かな山行であった。何と言っても山頂からの景色が素晴らしかっ た。雪が消えれば山頂から五色沼へ巡ってみるのもいいだろう。 ![]() |
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