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遂に苗場山に登るときがやって来た。 この山は何と言っても、山頂に広がる高層湿原が一番の楽しみである。
そのため、山頂一帯の雪がほとんど消えた頃を見計らっての山行となった。
登山道入口のかぐらスキー場第二リフトそばの町営駐車場に到着すると、準備をし8時20分に登山開始した。ルートは一般的 な祓川コースだ。まずはリフトに沿って舗装された道を15分行くと和田小屋にでた。苗場山と言っても登山道は苗場スキー場 ではなく、かぐらスキー場の中を登って行く。シーズン中には何度も滑ったことがあり、この和田小屋でも何度か食事をしたこ とがあった。さて、ここから本格的な登りが始まる。展望の利かない、岩がゴロゴロした登山道は湿度が高く、すぐに汗だく状 態だ。50分で下ノ芝に着いたので小休止とした。ここからは所々に木道が敷かれ歩きやすくなり、中ノ芝を過ぎ、50分で上 ノ芝に着いた。先を急ぐので休まずに歩き続けるが、周辺にはたくさんの高山植物が咲いており、ついつい立ち止まって写真を 撮りながらなのでなかなか進まない。しばらくすると目標地点の神楽ケ峰に到着した。あまりピーク感はないが、天気が良けれ ば田代のカッサダム湖を見ることが出来るのだが。そこから熊笹とシラビソに囲まれた道を右へ回り込むように進むと、目の前 に苗場山のどっしりとした山体が現れた。山頂付近は雲に隠れているが、その大きさを窺うことが出来る。神楽ケ峰から15分 で雷清水だ。流れ出る水は冷えていて美味しかった。山頂へはここから一旦鞍部まで降り、上り返すことになるのだがかなりの 急登のようだ。まずは鞍部へ下る。そこはお花畑で、色とりどりの高山植物がとても素敵だ。シラネアオイ、チングルマ、イワ カガミ、ナエバキスミレ、ミツバオウレン、ウスユキソウ、ショウジョウバカマ等、最後の急登に挑む前に癒しのひと時だ。あ とはひたすら登るだけ。やがて登りきると、そこには広大な平坦地が広がっていた。大小の池塘の中を木道が設置されており、 すぐに山頂小屋である遊仙閣に到着した。この小屋の裏手が苗場山の山頂となる。この先にはもう一箇所、山頂ヒュッテがあっ たので、ここで休憩することにした。今日はコンビニに寄れなかったので、ここまで何も食べていない。当然腹ペコだ。食料が 一切無いのでカップヌードルを買って、ヒュッテ前のテーブルで食べることにした。500円也。高級カップラーメンを食べ終 わると山頂一帯の散策をした。ヒュッテの横を抜けて一段下がったところに広大な高層湿原が展開していた。山頂小屋までに見 てきた部分だけでも随分大きなものだと思ったが、それはほんの一部だったようだ。辺り一面には無数の池塘が点在し、また多 くの花々が咲いており、それがどこまでも果てしなく続いているではないか。とてつもなく大きい。ここが標高2000m超の 山頂とはとても思えない眺めで、まるで高原地帯といったところだ。こんな風景を見たことはない。あまりの素晴らしさに感激 し、木道をどこまでも歩いて行きたかったが、戻って来るのが大変なので適当なところで下山することにした。 ![]() ![]() ![]() 登山口の駐車場 リフトに沿って歩いていく 15分歩くと和田小屋がある ![]() ![]() ![]() ここからゲレンデ脇を登り始める 湿度が高く早くもバテる 斜度が緩くなり木道を行く ![]() ![]() 神楽ケ峰はピーク感に乏しい 神楽ケ峰からしばらく行くと山頂方向がいきなり現れる ![]() ![]() 雷清水は冷たくて美味しかった このあたりにはたくさんの花が咲いていた ![]() ![]() ![]() 急登を終えると湿原が広がっていた 曇っているのでどこまで続いているか 木道を遊仙閣まで行く ![]() ![]() 山頂標は遊仙閣の裏に建っている 長野県側には自然体験交流センター ![]() 山頂にはとてつもなく広大な湿地帯がある。いったいどこまで続いているのだろう ![]() ![]() 曇っているのが幻想的な雰囲気を演出している 大小の池塘が点在し、さまざまな花が咲いている ![]() ![]() どこまでも歩いて行ってしまいそうだ とても日帰りでは廻れない。そろそろ下山しよう 【 苗場山で出会った花たち 】 ![]() ![]() ![]() イワイチョウ ムシカリ アズマシャクナゲ ![]() ![]() ![]() ナエバキスミレ ツマトリソウ シラネアオイ ![]() ![]() ![]() イワナシ キヌガサソウ ヤマイワカガミ ![]() ![]() ![]() タテヤマリンドウ チングルマ カラマツソウ <山行後記> この山の良さはやはり山頂部の高層湿原だろう。これを目にするために、苦しい登りを やって来るだけの価値はある。また、登山道に咲く綺麗な花々も素晴らしい。今日は天 気が良くなかったが、それもあまり気にならないような山頂の眺めだった。天上の楽園 を抱く越後一の高峰は、やって来る登山者をとても優しく迎えてくれる。 ![]() |
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