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中央アルプス最高峰の木曽駒ケ岳は東の甲斐駒ケ岳とともに双璧をなす 山である。標高は3000mに近く、山頂からは南アルプスの峰々や空 木岳、南駒ケ岳へと続く稜線が一望のもとだ。また、宝剣岳の直下に展 開する千畳敷は見事な圏谷を形成し、その環境はとても素晴らしい。
菅の台バスターミナルに着くと、しばしの仮眠をとった。5時過ぎに連絡バスが出るので、それに乗り込み、50分ほどすると しらび平に到着。続いてロープウェイで標高2600mの千畳敷に降り立った。目の前に広がるカールは緑が眩しく、所々にあ る残雪とのコントラストが綺麗だ。上部に目を向けると、カールを取り囲む岩峰群の中で一際高いのが宝剣岳だ。青空に向かっ てそそり立つ尖峰は、千畳敷になくてはならないものだ。登山届を提出し、早速歩き出した。まずは千畳敷の下部、遊歩道的な ところを進んで行き、残雪を横断するといよいよ眼前の急登に取りかかった。のんびり歩いているおじさん、おばさんを次々に 抜き去って、千畳敷の上部を目指す。ジグザグに続く斜面を登って行くと、次第に宝剣岳が近づいてくる。振り返れば南アルプ スが一望のもとだ。特に甲斐駒から赤石岳にかけての連なりは見事の一言だ。その向こうには富士山が頭を覗かせている。左手 方向を見ると徐々に空木岳へ続く稜線が現れてきた。最後のガレ場を登りきると25分で千畳敷の上部、乗越浄土にでた。ひと 汗かいたので、ここで一服することにしよう。次は中岳を目指して再び歩き出した。すぐに宝剣岳と駒ケ岳方向の分岐があり、 この辺りからいろいろな花が目に付くようになった。一旦下ると宝剣山荘があり、この先で駒ケ岳への巻き道と中岳に道が分か れる。巻き道は一部に崩落箇所があるということだったので、後者を選択することにした。すっきり晴れ渡った空の下、高山植 物を観察しながらゆっくり登って行く。ほどなくすると中岳にたどり着いた。緩やかな丘の上に立つとその向こうには御嶽山と 北アルプスの眺望が広がっていた。さらに下って、その先の駒ケ岳はもうすぐそこだ。瓦礫のルートは広く明るく、気分爽快 だ。千畳敷から1時間20分で木曽駒ケ岳山頂に到着した。山頂は大勢の人で溢れており、そこからの景色を楽しんでいた。中 でも御嶽山は存在感抜群だ。そしてなんと言っても残雪を纏った乗鞍岳から穂高、槍ケ岳にいたる北アルプスの眺めが素晴らし い。また、宝剣岳から檜尾岳、空木岳、南駒ケ岳、越百山へと続く稜線はとても綺麗で思わず縦走してみたくなる。さて、帰り はその宝剣岳に寄ってみることにしよう。宝剣岳直下の岩場は登りづらく、人も多いため渋滞となっていた。辛抱強く待ち、よ うやく山頂にたどり着くことが出来た。一番高いところは人が一人立つことが出来る岩だ。その怖さと言ったら半端ではない。 眼下の千畳敷へ一気に落ちこんでいる。果敢にも岩の天辺に立つ人がいるが、見ているこちらが冷や冷やする。ここからは宝剣 岳の南稜を下ることになるが、依然として足場の悪いスリリングなところでこれがなかなか面白い。岩場が終わるとその先は極 楽平へと続く気持ちの良い稜線歩きが待っていた。それほど距離は無いが、開放感に満ちた静かなところで、景色や花を堪能し ながらあっと言う間に極楽平に着いた。あとは帰りのロープウェイが混み始める前に千畳敷まで下りることにしよう。 ![]() ![]() 菅の台バスターミナルの駐車場からバスに乗る しらび平からロープウェイに乗り換える ![]() ![]() 千畳敷から宝剣岳を見上げる 久しぶりの快晴にワクワクする ![]() ![]() 南アルプスの眺め。左側に富士山も頭を出す 八丁坂の急登を一気に登り詰める ![]() ![]() サギダルの頭 乗越浄土に上がり、小休止する ![]() ![]() 天狗荘と中岳 中岳からは御嶽山がドカンと現れる ![]() ![]() いったん下って登り返すと木曽駒ケ岳だ 1時間20分で木曽駒ケ岳に到着 ![]() 乗鞍岳から笠ケ岳、穂高岳、槍ケ岳の眺め。最高のパノラマが広がる ![]() 宝剣岳から檜尾岳、空木岳、南駒ケ岳へと続く稜線。いつか歩いてみたいルートだ ![]() ![]() 駒ケ岳神社山頂本社 帰りに寄った宝剣岳の先っぽ。凄い高度感があり怖い ![]() ![]() 極楽平を廻って千畳敷に戻ることにする 振り返ると宝剣岳、中岳、木曽駒ケ岳が並んでいる ![]() ![]() 御嶽山を見ながらのんびり歩きは気分最高 ここの稜線は実に楽しい ![]() 極楽平から見る三沢岳。あとは千畳敷に戻るだけ 【 木曽駒ケ岳お花図鑑 】 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() <山行後記> 今年に入ってようやく天候に恵まれたので気分最高だった。千畳敷カールの環境の 良さや、宝剣岳から極楽平へと至る稜線歩きは、これぞ山歩きの醍醐味と言えるだ ろう。ロープウェイが使えるので気軽に訪れることが出来るが、宝剣岳周辺の岩稜 地帯はかなり注意が必要だ。 ![]() |
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