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春の大型連休は今年初の本格的な登山となった。目指すは奥越の名峰、荒島岳だ。 世間ではETC高速1000円乗り放題とか騒がれているが、この流行にすっかり乗り遅れてしまった。
そのため、高速道路代金をケチって一般道で12時間かけ
登山口のある勝原スキー場までやって来た。
夜中に到着すると、5時間ほど車内で寝れるはずだったのだが、思いのほか寒くて熟睡することができなかった。スキー場の広 い駐車場には車が10台ほど駐車しており、その先の斜面を早くも数人の登山者が登っていた。軽く朝食を済ませると、こちら も5時50分に出発することにした。まずはリフト終点にある登山口まで行かねばならない。舗装された道を緩やかに登って行 くと、5分で1本目のリフト終点に着いた。すでにスキー場の下部が見渡せるほどまで上がってきた。その向こうには九頭竜川 のゆったりした流れを俯瞰することができた。ここで右に折り返すと斜度が増し、かなりきつい登りとなった。次第に呼吸が苦 しくなり、何度か立ち休憩をしながら進んで行くと2本目のリフト終点に出た。リフト終点と言っても、支柱は倒されており、 すでにその役をなしていないようだ。ここに勝原コースの登山口がある。登山道は赤土の滑りやすい斜面で、木の根が這ってい る。ブナ林の中を歩いていると、トトロの木と呼ばれる老木や様々な形をしたブナが目を楽しませてくれる。ブナの林が好きな 自分としては見飽きることがなく、とても気分良く歩ける。しばらくすると、左側の視界が開け、経ケ岳の向こうには雪を纏っ た白山が姿を見せた。疲れたのでここで小休止としよう。明るい登山道はさらに続き、ブナの中に急な階段が伸びていた。雰囲 気抜群のロケーションだが、なかなか登り応えがある。この階段を終えると、木々の間から荒島岳が現れ、やがてシャクナゲ平 に到着した。名前ほどシャクナゲは生えていない。ここまで歩き始めて2時間たったが、あと1時間ほどで山頂だろう。ひと息 ついたところで先に進むことにした。一旦、下ると佐開コースとの合流となり鞍部にでる。この先には、鎖やロープが設置され ているモチガ壁と呼ばれる急坂が控えている。鎖もロープも必要なく、登りきると稜線に出た。振り返ると小荒島岳や白山がよ く見えた。足元にはイワウチワ、ショウジョウバカマなどの可憐な花が咲いている。ここからは笹原が続く、気持ちの良い尾根 へと変わる。前荒島岳、中荒島岳と言ったピークを越えるとやがて荒島岳山頂に到着した。360度の眺望は抜群だが、雲が多 く、北アルプスのパノラマはいまひとつだった。しかし、何といっても一際目立つのは白山で、目の前に堂々と横たわってい る。ここは、まさに白山連峰を望む絶好の展望台だ。南側に目を転じると、能郷白山がひっそりと佇んでいる。さて、そろそろ 山頂を後にしよう。下山してからが大仕事だ。東京まで長いながい道のりが待っているから。 ![]() ![]() 勝原スキー場 勝原コースで山頂を目指す ![]() ![]() ![]() 徐々に高度を上げていく ここから斜度がきつくなる 経ケ岳が見えてきた ![]() ![]() 登山口までは45分かかった 美しいブナ林が続く ![]() ![]() これが名物のトトロの木か 左手にはまだ残雪抱く白山が現れてきた ![]() ![]() 明るい登山道は雰囲気抜群 このブナ林を見るだけで、ここを訪れる価値はある ![]() ![]() 2時間歩くと荒島岳が現れた ジャクナゲ平で小休止する ![]() ![]() ところどころに残雪がある尾根を進む 3時間15分で荒島岳に到着 ![]() ![]() なんと言っても白山の姿は存在感抜群だ 遠くに能郷白山 <山行後記> 足慣らしのつもりの荒島岳だったが、約1200mの標高差を甘く見ていた観があった。 終始、急登続きの登り応え満点の山だ。しかし、シャクナゲ平まで続く新緑のブナ林は 最高に素晴らしく、荒島岳の豊かな自然と環境の良さを実感することが出来た。そして 山頂で見たあの雄大な白山へと思いを馳せるのであった。 ![]() |
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