80白山


 天気は悪かったが見どころたくさんで楽しい山
はくさん


(2702m)
                                                                                      石川県白山市
                                                                                      岐阜県大野郡白川村


          言わずと知れた日本三名山の一つ。古くから信仰の対象とされ、最高峰の
          御前峰をはじめ、剣ケ峰、大汝峰からなる霊山である。山頂部には神秘的
          な火口湖が幾つも点在し、火山特有の地形を見ることが出来る。また、花
          の名山としても知られており、夏ともなると様々な種類の花が一面を埋め
          尽くし、まさに高山植物の宝庫と言える。


 2009年7月4〜5日    

 ・コース
  別当出合⇔中飯場⇔甚之助避難小屋⇒黒ボコ岩
  ⇒弥陀ケ原⇒室堂平⇒御前峰⇒大汝峰⇒
  室堂平(泊)⇒エコーライン⇒甚之助避難小屋

 ・1日目 6時間30分 、 2日目 2時間15分
                   (室堂センターから)
 ・標高差 1442m

 ・歩程 17.5km
  


我が愛車にも待望のETCが搭載された。高速1000円乗り放題の恩恵を受け、早いところ登っておきたかった白山に行くこ
とにした。東京の自宅からは高速を利用しても遠く、また仕事あがりの出発のため、睡魔と格闘を続けようやく白山市までたど
り着いた。駐車場から一段上がったところが登山口となる別当出合で、ここにはトイレ、水場、小さな売店などがある。水を補
給したあと、靴ひもを締め直して出発した。すぐに観光新道と砂防新道に分かれるが、予定通り砂防新道を進む。吊り橋を渡る
と、その先から登りが始まった。登山道は想像したよりも斜度があり、ぐんぐん高度を上げていく。前日までの雨にも関わらず
歩きやすいのは、整備が行き届き、それだけ人気の山である証拠だろうか。30分で中飯場に着いた。正面には甚之助谷に流れ
落ちる不動滝を望むことができる。とりあえず甚之助避難小屋を目指して進む。左側に続く道をさらに行くと別当覗で、本来な
らここから別当出合を眺めることが出来るのであろうが、木々に遮られはっきりと確認出来なかった。コメツガ、ダケカンバ、
シラビソなど針葉樹の樹床には笹が繁茂し、さらに、高山植物が姿を見せ始めた。甚之助避難小屋に到着したのは、歩き始めて
から2時間後だった。ここでは数人の登山者が休憩していたが、こちらは休みやすみ歩いてきたので通過することにした。南竜
道への分岐を過ぎると、ジグザグにつけられた道がしばらく続く。雪解け水が沢となり幾筋も斜面を横切っており、周辺にはミ
ヤマキンポウゲがたくさん咲いていた。それほど急な道ではないのだが、思うように足が進まず、相変わらずのスローペース
だ。山頂方向は雲に覆われているが、時折、晴れ間が顔を出す。このまま天候がもってくれれば良いのだが。延命水で一息つく
とようやく黒ボコ岩に着いた。黒ボコ岩は何の変哲もない、どこにでもなりそうな大きな岩でたいしたことはなかった。さて、
室堂まではもう少しだ。この先の弥陀ヶ原では景色が一変する。笹原と灌木帯の中には木道が延び、高低差も少なく、これまで
とは違ってのんびり歩くことができる。目の前には遂に御前峰が現れた。エコーライン分岐を過ぎると、室堂への最後の登りで
ある五葉坂が立ちはだかる。ハイマツの中にまっすぐ続く岩場の道は、足場が悪く厳しい登りだ。五葉坂を越えるとようやく室
堂センターに到着した。スタートしてから3時間40分かかった。ここには宿泊施設のほか、売店、食堂などの様々な施設が整
っている。一旦、荷を下ろし、宿泊の手続きと食事をすることにした。食事が済むと、いよいよ山頂に向けて歩き出した。休憩
後なので足取りも軽やかに30分ほどで白山の最高峰、御前峰に到着した。山頂には白山神社奥宮があり、古くから信仰対象の
霊峰であることが伺える。残念ながら雲が広がってしまい、遠くの山々を望むことは出来ないが、山頂一帯の火山特有の風景
や、そこに点在する火口湖はバッチリ見ることが出来た。最後はその山頂お池めぐりだ。お隣の剣ケ峰を見ながら急坂を下ると
紺屋ケ池、翠ケ池の畔に出る。池の周りには雪渓があり、一部結氷していた。これらの池は神秘的であるが、青空の下ならさら
に碧く輝き、素晴らしい眺めになることだろう。お池めぐりコースには適所に解説看板が設置されており、一帯の動植物や自然
環境についての解説がされている。血ノ池の先で大汝峰への分岐があった。あまり時間もかからないだろうと、ついでに大汝峰
を往復することにした。大汝峰から戻ると、室堂までは幾つかの雪渓を渡って行くが、この辺りはチングルマ、ミヤマキンバ
イ、アオノツガザクラ、クロユリなどの高山植物がたくさん咲いており、ついつい歩が緩んでしまう。室堂に戻り一服するとす
ぐに夕飯となった。食後はとくにすることも無いので、6時前に早くも床に就くことにした。翌日、天気は良くないので、御来
光もないだろうと少しだけゆっくりした。とは言え、帰りのことを考えるとあまりのんびりもしていられない。室堂を後にする
と、エコーライン経由で別当出合まで降りてきた。急いで東京に向けて出発だ。


  
      別当出合の駐車場(下山時)       登山口で砂防新道と観光新道に分かれる       吊橋を渡ると登りが始まる

  
   30分で中飯場に到着。正面には不動滝       登山道は変化があり楽しめる            甚之助避難小屋に到着

  
        エコーラインとの分岐           お花畑の中をジグザグに登っていく         延命水。是非とも頂きましょう

 
         黒ボコ岩はたいしたことのない岩だった                       ここで 観光新道と合流する

 
 木道が続く弥陀ヶ原はホッとできるところだ。正面には山頂が現れた          急登の五葉坂から弥陀ヶ原を振り返る

 
             3時間40分で室堂平に到着                          山頂まではもう少しだ

 
         御前峰に到着。雲が多く遠くの景色は×                      お隣には剣ケ峰が鎮座する

 
           紺屋ケ池。まだ雪渓が残っている                          一番大きな翠ケ池

 
           大汝峰手前からの御前峰と剣ケ峰                   せっかくなので大汝峰にも是非行きましょう

 
        2日目、出発の朝はだいぶガスってしまった                 エコーラインから南竜ケ馬場を見下ろす




          白山室堂
          ビジターセンターを中心に、いくつかの宿泊棟がありその収容人数は750人にの
          ぼる。御前峰の直下にあり、周辺には多くの散策スポットがあるので、ここで1日
          ゆっくり過ごすのも悪くない。食事はビジターセンター内にある広い食堂でとる。
          白山室堂は完全予約制となっており、したがって1人1枚の布団を確保することが
          できるので安心だ。




        <山行後記>
          終始曇り空だったが、梅雨真っ盛りの山行としては十分だろう。登山道は水場が多く、
          変化に富み、見どころも多いため、飽きずに歩くことが出来た。また、山頂周辺のお池
          めぐりは楽しく、火口湖や雪渓を間近に見ることが出来た。花の時期としては少し早く、
          あと半月からひと月ほどすれば、もっと多くの花を見ることが出来ただろう。





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