82妙高山@


 雨にけむる頚城三山の盟主
みょうこうさん


(2454m)
                                                                                          新潟県妙高市


          赤倉山、神奈山、三田原山などの外輪山を従え、山頂部の溶岩ドームが
          特徴の妙高山は北信五岳の中でもひと際目立つ存在だ。どっしりとした
          重厚な佇まいは男性的で、別名を越後富士とも呼ばれている。麓には湯
          量豊富な温泉が幾つもあり、また、国内有数のスキーリゾートとしても
          知られている。


 2009年8月9日    曇/雨

 ・コース
  燕温泉⇔麻平分岐⇔天狗堂⇔鎖場⇔妙高山

 ・行き 4時間15分 、 帰り 2時間45分

 ・標高差 1334m

 ・歩程 14.0km
  


立山、剱岳に登る予定で大町の扇沢までやって来たのだが、当日の天気は小雨。立山の天候も芳しくない。やはり、この山は天
気の良い日にしたい。そこで、まだ登っていなかった妙高山にでも行ってみることにした。妙高高原駅前の観光協会で今夜の宿
を紹介してもらった。登山口からも近い燕温泉だ。山行は明日なので、まずはのんびりすることにした。それほど天気は崩れな
いらしい。


 

           燕温泉
           赤倉温泉スキー場の上部へ続く林道をどんどん進んで行く。道が狭くなり、やがて
           関温泉からの道と合流すると、その先にちっぽけな温泉街が現れる。
           妙高温泉、赤倉温泉といったメジャーな温泉には何度か行ったことがあったのだが
           燕温泉には一度も来たことがなかった。さらに登山口にも近いということなので好
           都合だ。
           宿の風呂もいいが、やはり野天の「黄金の湯」に入ったほうがいい。解放感があり、
           野趣満点、おまけに無料というのが嬉しい。
           効能・・・皮膚病、切り傷など


翌日は5時40分に歩き始めた。時より小雨が落ちてくるような怪しい空模様だ。温泉街上部の階段の先には黄金の湯がある。
この露天風呂は昨日、入ってみたがとても良い湯だった。黄金の湯から簡易舗装の林道のような道をしばらく進んで行くと、登
山道へと変わっていった。まずは北地獄谷に沿って緩やかに登って行く。所どころに咲いている紫陽花が雨に濡れて綺麗だ。4
0分ほど歩くと前方に二つの滝が現れた。称明滝と光明滝で、この脇をさらに進んで行く。この辺りには幾つかの源泉があるよ
うで、流れる沢床も赤茶色になっており、温泉の豊かさが感じられる。すぐに麻平方面との分岐があり、さらに進んで行くとや
がて沢の流れも途絶えてくる。ここから胸突き八丁のきつい登りが始まった。実際に歩いてみると、それほどのものではなく、
足元だけ気を付ければ大丈夫。20分ほど急坂が続いた後、天狗堂に出た。胸突き八丁もここで終わりだ。ひと休みするには絶
好のところなので、ザックを降ろして一服することにした。再び歩き出すと、すぐに光善寺池がある。小さな池であまり綺麗に
見えないのは、天気が悪いせいかも知れない。ダケカンバが点在する尾根状の道を行くと、今度は風穴があった。ここには山頂
まで1kmの看板が立てられていた。山頂までもう一息というところだが、道が険しくなってくると鎖場が現れた。角度はある
が、しっかりとしたステップが切られているので、鎖に頼らなくても大丈夫だ。鎖場はまだ良かったが、最悪なのはそのあとだ
った。前方から40人の団体が下りてきたのだ。すれ違いが困難な狭い箇所で、次から次へとやってくる。団体のおかげでだい
ぶ待たされた。山頂手前からは岩場へと変わった。溶岩石が積み重なった道の両側には、ミョウコウトリカブト、ヨツバシオガ
マ、トウヤクリンドウなどが咲き乱れている。この岩場を登りきり、左方向へ回り込むように数分行くと妙高山の山頂に到着し
た。山頂には10人ほど居たが、こんな天気で眺望はほとんど得られず、皆静かに休憩するだけだった。すぐ隣には、前回登っ
た火打山があるのだが全く見ることができない。最後に山頂を後にしようとしたころで、飯縄山が雲の間から頭を覗かせてくれ
た程度だった。さて、帰りは大倉山方面へ周回する予定だったのだが、この後の天気が心配で急いで下山したかったため、往路
をそのまま戻ることにした。


 
         宿の前の道を進むとすぐに登山口がある                まずはこんな感じの道が続く。正面には妙高山

 
     称名滝(上)と光明滝(下)。この滝のすぐ下をぬけて行く          滝を見て戻る人は、こちらへ行ったほうがいいかな

 
    胸突き八丁。30分これが続くそうだが、大したことなかった          胸突き八丁を終えると天狗堂に出る。ここで休憩

 
       光善寺池まで来れば、山頂まではあと1.4kmだ           笈摺岩の鎖場はステップが切ってあるので登りやすい

 
     40人の団体とすれ違う。10分以上一歩も動けなかった         岩場になると頂上が近い。この辺りにも多くの花が咲く

 
      4時間15分で妙高山南峰に到着。景色は楽しめず                   一瞬姿を見せた飯縄山


                眺望なくとも花は多し




        <山行後記>
          下りでは雨が本降りになり、散々な状態で終わってしまったが、こんな天気だから
          こそ無事に登頂できたことが嬉しい。なにより前回の火打山に続いて登ることが出
          来たのは良かった。麓には様々な温泉があり、是非これらの温泉と合わせて楽しむ
          といいだろう。





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