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昨日の剣山では最高な1日を過ごすことが出来た。 【 徳島空港 --- 剣山 --- 西条(泊) --- 石鎚山 --- 徳島空港 】
西条の宿を出発し、1時間ほど車を走らせると石鎚山温泉京屋旅館に到着した。近くの有料駐車場に車を停め、石鎚登山ロープウ ェイの下谷駅に向かった。時刻はまだ8時で、本日2便目のロープウェイに乗ることが出来た。成就駅に着くと、観光客や登山者 が一斉に駅を飛び出して行った。こちらはゆっくりと装備を整え、最後に歩き出した。今日は薄曇りとなったが眺望は悪くない。 周囲の山もよく見えている。散策路といった感じの道を緩やかに20分登って行くと石鎚神社中宮成就社にでた。ここには売店、 食事処、宿泊施設などがある。まずは神社で御参りをすることにした。お願いしたいことはたくさんあるけれど、とりあえずは今 日の登山の無事だけを祈っておいた。境内の神門を潜ると、そこから登山道がはじまる。ウォーミングアップが済んだと思ったら、 いきなりの下りだ。八丁坂は原生林の中を緩やかにジグザグに下って行く。紅葉の見頃には少し遅かったが、秋山の風情を感じら れる素敵な道である。下りきったところが八丁で、ここからいよいよ上りとなる。頂上まではおよそ700メートルだ。思いのほ か急な斜面には、ところどころに木の階段が設置されている。進むにつれ、ほとんどが階段ではないかといった状況になってきた。 以前歩いたときはそれほど階段のイメージはなかったのだが。八丁から30分で試しの鎖だ。石鎚山と言えば鎖場だが、はなから 鎖場など行く気がないので、そのまま進むと前社ケ森小屋に着いた。頂上までの半分の行程は来ただろうか。この小屋は前回、閉 められていた。今は開いているが、中では主人が暇そうにしている。小休止のあと再び歩きだした。ひと登りすると樹林帯を抜け、 正面に石鎚山が全貌を現した。これは石鎚山の北壁の眺めで、向かって右側にあるピークが弥山、その左が最高点の天狗岳のよう だ。鎖場や神社の頂上社なども見える。紅葉はとっくに終わり、山々は鮮やかさに欠けるが、頂上付近は霧氷のため白い衣を纏っ ているようだ。快適な道はやがて夜明かし峠に達する。ここから見る石鎚山もなかなか良いものだ。笹原に拓かれた道をしばらく 行くと一の鎖で、迷わず迂回路を進むとすぐに土小屋からのルートと合流した。鳥居を潜り、木の階段を登って行くと次は二の鎖 だ。右に続く巻き道は頑丈な鉄階段が架けられている。この階段、谷側には手摺が付いていないので、下りのときは怖い。頭上を 見上げると頂上の建物がすぐそこに見える。最後の三の鎖は工事中のため、通行止めとなっていた。まあ、はじめから行く気はな いが。この辺りまで来ると、周りの木々は霧氷になっているが、それが風に煽られてパラパラと降り注いでくる。ほどなくして弥 山に到着すると、そこはたくさんの人で賑わっていた。一服しようと思ったが、ゆっくりできるスペースが無さそうなので、さっ さと天狗岳に向かうことにした。初めての天狗岳は迫力満点だ。天に向かって屹立する様は、どこか近寄り難い雰囲気を放ってい る。これを間近で見てみたいとずっと思っていたのだ。欲を言えば、天狗岳が紅葉で真っ赤に染まる姿を見てみたかった。その天 狗岳へはまず岩場を下るところからスタートする。始めの一歩を慎重に踏み出せば、あとは難なく通過できた。中盤はナイフリッ ジの岩稜となる。北東側はスパッと切れ落ちており、今日のように視界の利くときはかなりの恐怖感がある。ここで下手をすれば 命に係わるだろう。しかし、焦っていたのだろうか、つい足を滑らせて転んでしまった。幸い命はあったが、左足を強烈に岩に叩 きつけてしまい、激痛のあまりしばらく動くことが出来なかった。この先は頂上まで稜線に沿って最短距離で行くことが出来るが、 これ以上無理はできず、南面を巻くようにしてやがて天狗岳に到着した。さて、6年前にお預けをくらった眺めだ。北に目を向け ると成就社があり、そこから歩いてきたコースがはっきりと確認できた。その先には西条の街だろうか、さらに奥には瀬戸内海ま で見渡せた。石鎚山にはもう一つのピークである南尖峰というのがあり、天狗岳から稜線の先に聳えている。そこまで行く人はな かなかいないようである。この南尖峰の先には土小屋と、その隣には特徴ある瓶ケ森がおおらかに構えている。振り返り見た弥山 の左手に続くのは二ノ森のすっきりとした山体だ。下には面河渓からのルートが延びている。想像通り、四国の屋根からの眺望は 申し分ないものである。弥山へ戻ると相変わらず多くの人だった。ここで軽い食事を済ませると下山の途に着いた。最後は痛む足 を引きずるようにしてロープウェイ成就駅に帰ってきた。 ![]() ![]() ![]() 石鎚山温泉京屋そばの駐車場に車を置く ロープウェイ下谷駅 8時25分、成就駅を出発 ![]() ![]() ![]() 石鎚神社中宮成就社で登山の無事を祈る この神門の先からが登山道 八丁坂を下って行く ![]() ![]() ![]() 秋の風情を満喫できる素敵な雰囲気 八丁まで下ってきた 八丁を過ぎるといよいよ登りとなる ![]() ![]() ![]() 木製の階段状の道。意外と歩きづらい 試しの鎖に果敢に挑む二人組 前社ケ森小屋でひと休み 山頂までの中間地点 ![]() 夜明かし峠にでるとこの展望。右のピークが弥山、その左に天狗岳と南尖峰 ![]() ![]() ![]() 一の鎖。迂廻路を進む ここで土小屋からのルートと合流する 振り返り見た景色 ![]() ![]() ![]() 霧氷の上に頂上社が見える 三の鎖は工事中でした 巻き道には立派な鉄階段が架かる まもなく頂上だ ![]() ![]() まずは弥山に到着。多くの登山者で賑わいを見せる 二ノ森の眺め。山腹には面河渓からのルートがある 休憩もそこそこにすかさず天狗岳に向かう ![]() ![]() 天に向かってそそり立つ天狗岳の雄姿 2時間30分で天狗岳に到着 紅葉最盛期にはこの山全体が真っ赤に染まる 西日本最高峰からの眺めはまさに圧巻 ![]() ![]() 天狗岳の先には南尖峰が続く 歩いてきた成就社からのルートが一望できる 左奥には土小屋が見える ずっと先には西条の街と瀬戸内海 ![]() ![]() ひと目で分かる瓶ケ森の独特な山容 石鎚山脈の山並み ![]() 弥山を見る。そろそろ下山するとしよう <山行後記> 昨日ほどではないが、まあまあの天気で四国一の眺望を楽しむことが出来た。ロープウ ェイ利用で時間があまりかからないところがいいが、土小屋や面河渓からのルートも気 になった。念願だった天狗岳にも行けたし、改めて石鎚山系の素晴らしさが分かった。 何より四国まで来て、以前のような悪天候に見舞われなかったことが一番だ。残念なの は、天狗岳で足を怪我してしまい、その後しばらく不自由したことだった。
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