07石鎚山A


 念願の天狗岳からの眺めに大満足
いしづちさん


(1982m)
                                                         愛媛県西条市・久万高原町


昨日の剣山では最高な1日を過ごすことが出来た。
まずは6年前のリベンジ第一弾の達成だ。
西条の洋食屋で晩飯をとっていたら、テレビがジャイアンツの優勝を伝えていた。
剣山と併せてささやかながら祝杯をあげた。
気分良く2日目を迎え、石鎚山も良い山行になることだろう。

【 徳島空港 --- 剣山 --- 西条(泊) --- 石鎚山 --- 徳島空港 】


 2012年11月4日    曇/晴

 ・コース
    RW成就駅⇔成就社⇔八丁⇔前社ケ森小屋
    ⇔夜明かし峠⇔二の鎖元小屋⇔巻き道⇔
    弥山⇔天狗岳

 ・行き 2時間30分 、 帰り 2時間50分

 ・標高差 682m

 ・歩程 9.8km
  


西条の宿を出発し、1時間ほど車を走らせると石鎚山温泉京屋旅館に到着した。近くの有料駐車場に車を停め、石鎚登山ロープウ
ェイの下谷駅に向かった。時刻はまだ8時で、本日2便目のロープウェイに乗ることが出来た。成就駅に着くと、観光客や登山者
が一斉に駅を飛び出して行った。こちらはゆっくりと装備を整え、最後に歩き出した。今日は薄曇りとなったが眺望は悪くない。
周囲の山もよく見えている。散策路といった感じの道を緩やかに20分登って行くと石鎚神社中宮成就社にでた。ここには売店、
食事処、宿泊施設などがある。まずは神社で御参りをすることにした。お願いしたいことはたくさんあるけれど、とりあえずは今
日の登山の無事だけを祈っておいた。境内の神門を潜ると、そこから登山道がはじまる。ウォーミングアップが済んだと思ったら、
いきなりの下りだ。八丁坂は原生林の中を緩やかにジグザグに下って行く。紅葉の見頃には少し遅かったが、秋山の風情を感じら
れる素敵な道である。下りきったところが八丁で、ここからいよいよ上りとなる。頂上まではおよそ700メートルだ。思いのほ
か急な斜面には、ところどころに木の階段が設置されている。進むにつれ、ほとんどが階段ではないかといった状況になってきた。
以前歩いたときはそれほど階段のイメージはなかったのだが。八丁から30分で試しの鎖だ。石鎚山と言えば鎖場だが、はなから
鎖場など行く気がないので、そのまま進むと前社ケ森小屋に着いた。頂上までの半分の行程は来ただろうか。この小屋は前回、閉
められていた。今は開いているが、中では主人が暇そうにしている。小休止のあと再び歩きだした。ひと登りすると樹林帯を抜け、
正面に石鎚山が全貌を現した。これは石鎚山の北壁の眺めで、向かって右側にあるピークが弥山、その左が最高点の天狗岳のよう
だ。鎖場や神社の頂上社なども見える。紅葉はとっくに終わり、山々は鮮やかさに欠けるが、頂上付近は霧氷のため白い衣を纏っ
ているようだ。快適な道はやがて夜明かし峠に達する。ここから見る石鎚山もなかなか良いものだ。笹原に拓かれた道をしばらく
行くと一の鎖で、迷わず迂回路を進むとすぐに土小屋からのルートと合流した。鳥居を潜り、木の階段を登って行くと次は二の鎖
だ。右に続く巻き道は頑丈な鉄階段が架けられている。この階段、谷側には手摺が付いていないので、下りのときは怖い。頭上を
見上げると頂上の建物がすぐそこに見える。最後の三の鎖は工事中のため、通行止めとなっていた。まあ、はじめから行く気はな
いが。この辺りまで来ると、周りの木々は霧氷になっているが、それが風に煽られてパラパラと降り注いでくる。ほどなくして弥
山に到着すると、そこはたくさんの人で賑わっていた。一服しようと思ったが、ゆっくりできるスペースが無さそうなので、さっ
さと天狗岳に向かうことにした。初めての天狗岳は迫力満点だ。天に向かって屹立する様は、どこか近寄り難い雰囲気を放ってい
る。これを間近で見てみたいとずっと思っていたのだ。欲を言えば、天狗岳が紅葉で真っ赤に染まる姿を見てみたかった。その天
狗岳へはまず岩場を下るところからスタートする。始めの一歩を慎重に踏み出せば、あとは難なく通過できた。中盤はナイフリッ
ジの岩稜となる。北東側はスパッと切れ落ちており、今日のように視界の利くときはかなりの恐怖感がある。ここで下手をすれば
命に係わるだろう。しかし、焦っていたのだろうか、つい足を滑らせて転んでしまった。幸い命はあったが、左足を強烈に岩に叩
きつけてしまい、激痛のあまりしばらく動くことが出来なかった。この先は頂上まで稜線に沿って最短距離で行くことが出来るが、
これ以上無理はできず、南面を巻くようにしてやがて天狗岳に到着した。さて、6年前にお預けをくらった眺めだ。北に目を向け
ると成就社があり、そこから歩いてきたコースがはっきりと確認できた。その先には西条の街だろうか、さらに奥には瀬戸内海ま
で見渡せた。石鎚山にはもう一つのピークである南尖峰というのがあり、天狗岳から稜線の先に聳えている。そこまで行く人はな
かなかいないようである。この南尖峰の先には土小屋と、その隣には特徴ある瓶ケ森がおおらかに構えている。振り返り見た弥山
の左手に続くのは二ノ森のすっきりとした山体だ。下には面河渓からのルートが延びている。想像通り、四国の屋根からの眺望は
申し分ないものである。弥山へ戻ると相変わらず多くの人だった。ここで軽い食事を済ませると下山の途に着いた。最後は痛む足
を引きずるようにしてロープウェイ成就駅に帰ってきた。

  
  石鎚山温泉京屋そばの駐車場に車を置く          ロープウェイ下谷駅              8時25分、成就駅を出発

  
  石鎚神社中宮成就社で登山の無事を祈る       この神門の先からが登山道              八丁坂を下って行く

  
   秋の風情を満喫できる素敵な雰囲気            八丁まで下ってきた           八丁を過ぎるといよいよ登りとなる

  
   木製の階段状の道。意外と歩きづらい        試しの鎖に果敢に挑む二人組           前社ケ森小屋でひと休み
                                                                山頂までの中間地点
     
                   夜明かし峠にでるとこの展望。右のピークが弥山、その左に天狗岳と南尖峰

  
       一の鎖。迂廻路を進む          ここで土小屋からのルートと合流する            振り返り見た景色

  
     霧氷の上に頂上社が見える             三の鎖は工事中でした           巻き道には立派な鉄階段が架かる
         まもなく頂上だ
 
     まずは弥山に到着。多くの登山者で賑わいを見せる           二ノ森の眺め。山腹には面河渓からのルートがある
        休憩もそこそこにすかさず天狗岳に向かう
 
         天に向かってそそり立つ天狗岳の雄姿                      2時間30分で天狗岳に到着
       紅葉最盛期にはこの山全体が真っ赤に染まる                 西日本最高峰からの眺めはまさに圧巻
 
           天狗岳の先には南尖峰が続く                    歩いてきた成就社からのルートが一望できる
             左奥には土小屋が見える                         ずっと先には西条の街と瀬戸内海
 
          ひと目で分かる瓶ケ森の独特な山容                         石鎚山脈の山並み


         弥山を見る。そろそろ下山するとしよう




     <山行後記>
          昨日ほどではないが、まあまあの天気で四国一の眺望を楽しむことが出来た。ロープウ
          ェイ利用で時間があまりかからないところがいいが、土小屋や面河渓からのルートも気
          になった。念願だった天狗岳にも行けたし、改めて石鎚山系の素晴らしさが分かった。
          何より四国まで来て、以前のような悪天候に見舞われなかったことが一番だ。残念なの
          は、天狗岳で足を怪我してしまい、その後しばらく不自由したことだった。



       11月3日 剣山





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