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秩父山地の西方、山梨県と長野県の境にあるのが金峰山である。標高 2599m、隣には瑞牆山を従えるように鎮座している。高さでこそ 東の北奥千丈岳に、わずかおよばないが、山頂のシンボルロックであ る五丈岩が天に聳える姿は、まさに奥秩父の盟主である。 清里の民宿でのんびりし、2日目の今日は金峰山に挑む。 【 11月30日 瑞牆山 、 12月1日 金峰山 】
無理をすれば、前日に登った瑞牆山と金峰山は1日で登れるそうだが、そこまでする気はない。自宅へは帰らずに宿をとってい たので、2日に分けてアタックすることになった。 昨日と同様、9時に瑞牆山荘に到着した。準備を整え9時15分登山開始。昨夜は睡眠時間も十分で、体調万全でのスタートと なった。すぐ前を歩いていたおじいさんを追い抜いた。瑞牆山を登るそうだ。富士見平小屋まではあっという間に到着、トイレ を済ます。30円。ここからが本番である。金峰山へはトイレ脇にある登山道を進む。初めは、やや急ではあるが登りやすい。 しばらくすると、緩い登りと水平移動の繰り返しで、45分も行くと大日小屋に着いた。この小屋は登山道から数m下ったとこ ろに、ひっそりと建てられえており、すぐそばには水場もある。ここから道はさらにきつくなり、足場の悪い岩場も出現する。 大日小屋から30分ほどで大日岩の直下にでた。この岩も金峰山の名物である。標高はだいぶ上がってきたと思われ、鬱蒼とし た登山道には昨日の雪が残っていた。大きな岩と、入り乱れるように地を這う木の根っこの道をひたすら登り続けると、大日小 屋から1時間半で視界が開けた。やがて森林限界となり尾根にでた。まずは景色を見ながらひと休みだ。右側にあるのは千代の 吹上で、これも金峰山登山の名所だ。数百mはあろうか、はるか下まで切れ落ちており、覗き込むとかなり怖かった。目の前に は小高い岩山があり、これが山頂かと思い登ってみるとそうではなかった。左手方向に尾根が続いており、3つほどの小ピーク がある。金峰山の西稜だ。それぞれに岩塔が建っており、一番奥のひときわ高いのが五丈岩と分かった。その先が山頂である。 ここから稜線沿いに山頂方向への眺めはアルペンムード漂うすばらしいものだ。山頂はもう目と鼻の先のように見えるが、ここ からが大変だった。五丈岩を目指して進んで行くのだが、ピーク付近はほとんどロッククライミングといった感じだ。その後、 尾根を下ってまた登り返す。これを繰り返して1時間弱でようやく金峰山山頂に到着した。今日も山頂独り占めだ。天気が良い ので、西には八ヶ岳が、そして昨日登った瑞牆山が眼下に見えた。ここから見ると瑞牆山が随分と小さく感じた。南には富士山 が、その隣には雪をかぶった南アルプスの山々を見ることができた。また、目の前には五丈岩がでんと鎮座しており、とても迫 力があった。この時期は日が暮れるのが早い。あまりのんびりしてないで、早めに下山することにした。結局この日はここまで 誰にも会わなかったが、富士見平小屋まで下りてきたとき、朝のおじいさんと偶然出くわした。天気が良かったので山頂で2時 間くらいゆっくりしていたそうだ。かなり疲れを感じながらも、無事に瑞牆山荘に到着した。 ![]() ![]() 再び富士見平小屋へやってきた 緩やかに登っていく ![]() ![]() 大日小屋を通過 大日岩 ![]() ![]() 尾根に出る手前の急登 尾根に出るとパノラマが展開する ![]() ひときわ目立つ五丈岩。アルペンチックな素晴らしい眺め ![]() ![]() 3時間50分で金峰山に到着。山頂ひとり占め 昨日登った瑞牆山と、その先には八ケ岳 ![]() ![]() 金峰山の象徴、五丈岩は巨大だ 奥秩父主脈縦走路 ![]() ![]() 南アルプスの眺望 雲の上に頭を出す富士山 <山行後記> 今回のルートだと標高差がかなりあった。一方、大弛峠からだと標高差は約240m、 2時間そこそこで山頂に立てるというが、大日岩、砂払ノ頭、千代ノ吹上など登山道沿 にある見所を楽しむには、やはり富士見平からのルートだろう。ピストン行なら、是非 こちらから登ってほしい。苦労の末、たどり着いた山頂からの景色は奥秩父一のすばら しいものであった。
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