15霧島山


 悪路もなんのその、霧島縦走は最高
きりしまやま


(1700m)
                                                          鹿児島県霧島市
                                                                                    宮崎県えびの市・小林市


         霧島は20以上の火山の集合体で、幾つもの火口湖が点在している。霧島
         の最高峰は標高1700mの韓国岳で、そこから東の高千穂峰まで延びる
         主脈の眺めはとても素晴らしい。特に高千穂峰のとがった山容は存在感が
         あり、霧島の盟主とも言えるのではないだろうか。

            九州本土の山は初めてとなる。今回は2日間で南部にある霧島山と開聞岳を登ることにした。

        【 宮崎空港 --- 霧島山 --- 鹿児島(泊) --- 開聞岳 --- 鹿児島空港 】

     

 2007年3月21日    

  ・コース
   大浪池入口⇒大浪池⇒韓国岳⇒獅子戸岳⇒新燃岳⇒中岳⇒高千穂河原

  ・行き 2時間20分(韓国岳まで) 、 帰り 3時間40分

  ・標高差 640m

  ・歩程 14.7km


九州本土の山に登るのは今回が初めてである。以前、鹿児島空港に降りる飛行機の窓から見た霧島連山の素晴らしさに感動し、
是非、登ってみたいと思っていた。今回は韓国岳に登り、時間に余裕があれば高千穂河原まで縦走することにした。
11時55分、大浪池登山口からスタート。はじめは林の中に敷かれた石畳の登山道を登って行く。30分で大浪池にでた。紺
碧の湖面、その向こうに見える韓国岳の眺めが最高である。韓国岳山頂へは北西にある、えびの高原から短時間で登れるのだ
が、少し苦労してでも大浪池が間近に見え、また山容がきれいなこちらから登ったほうが正解である。マンサク目当てか、ここ
までは多くの登山者や観光客がいた。池の周りを東回りに約半周すると避難小屋が建っており、ここから山頂への急斜面が続い
ていた。ぐんぐん高度を上げていくと、右手方向には高千穂峰が姿を現した。なんと素晴らしい眺めだろう。しばらくそれを眺
めながら急登を行くと、山頂直下である。火山礫と岩の上にはところどころ雪が積もっていたが、それも最後のひと踏ん張りで
韓国岳山頂に到着した。山頂からの眺めは文句無しだ。眼下には先ほどの大浪池の静かな佇まい。すぐそこには韓国岳の爆裂火
口。その向こうにはえびの高原。また、何と言っても高千穂峰へと続く嶺々など、まさに圧巻である。さて、これからどうする
か。高千穂河原まで行きたいが、登り始めた時間が遅かったせいで、いい時間になってしまった。山頂にいたおじさんに聞いた
ら、3〜4時間かかるというではないか。あまり余裕がないが、せっかくここまで来たので韓国岳だけではもったいない。とい
うことで、霧島縦走をすることに決めた。韓国岳山頂から獅子戸岳、新燃岳、中岳、そして高千穂河原を目指して出発した。獅
子戸岳までの登山道は、融けた雪でかなり荒れており、さらに急な下りで泣きそうになった。グリップがまったく利かず、足元
を注意しても何度もコケそうになったし、靴は泥だらけで悲惨な状態だ。正直言って、来なければ良かったとさえ思った。我慢
して歩き続けると、いつの間にか獅子戸岳山頂に到着していた。次は新燃岳だ。路面は多少荒れているが、先ほどよりはだいぶ
良くなった。いったん下って登り返すと間もなく新燃岳山頂に到着した。この山にもお釜があり、コバルトブルーの水を湛えて
いる姿はとても綺麗だ。噴煙がちょろちょろ上がっていた。ここで後から来た登山者と一緒に歩き出す。高千穂河原で野営する
そうだ。ここまで来ると高千穂峰はすぐ目の前で、迫力がある。緩やかな木段を下って行くと本日4座目となる中岳だ。小高い
丘といった感じだ。後ろを振り返ると、新燃岳、その向こうに韓国岳の山頂付近が見え、だいぶ歩いて来たと感じる。中岳から
はひたすら下り続け、やがて高千穂河原に到着した。大浪池登山口にレンタカーを停めていたので、ここでタクシーを呼ぼうと
したのだが、時間は18時になっており駐車場管理所やビジターセンターは閉鎖されていた。途方にくれていたところ、高千穂
峰登山から戻って来たという老夫婦が快く車で送ってくださるというので、ありがたくその御好意にあまえることにした。


  
            大浪池入口                  樹林帯の中を進む

 
            大浪池の向こうに韓国岳を望む                      山頂手前から大浪池を俯瞰する

 
             2時間20分で韓国岳に到着                            韓国岳の爆裂火口

    
                      高千穂峰に続く山並みが素晴らしい。これからここを縦走する


        獅子戸岳までの悪路には本当に参った
        雪解けでぬたぬたになった下りの道は、とても滑り易く、歩くときにバランスを保つのもまま
        ならない。こんなところで転んでしまったら、泥だらけになってしまう。そのプレッシャーと
        闘いながら歩いていたがコケそうになってしまい、手をついたときに小指を脱臼してしまった。
        その後、3ヶ月ほど不自由な思いをした。最悪だ。


 
            獅子戸岳はピーク感に乏しい                  目の前に迫る新燃岳。火口壁までまっすぐの道が続く

 
         振り返ると韓国岳が。ずいぶん歩いてきた                        新燃岳の火口湖

 
            火口壁を半周すると新燃岳に                         中岳まで来ればあともう少しだ

 
           間近に見る高千穂峰は迫力がある                      高千穂河原に向かって下っていく




        <山行後記>
          天候に恵まれて良かった。火山帯の山々は変化があり、とても楽しめた。何と言っても
          霧島縦走の素晴らしさだ。なかなか見ることの出来ない景色を間近に堪能できた。時間
          に余裕があれば、高千穂峰にも登ってみたかったのだが。悪路でコケそうになり小指を
          脱臼してしまったのは痛かった(涙)



       3月22日 開聞岳





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