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群馬から新潟方面へはよく出掛けるので、谷川岳の姿を目にする機会は 多かった。印象としてはいつも頂に雪をかぶっており、また魔の山と称 されている点からもどこか近寄り難い雰囲気がある。その姿は上越国境 にでんと居座り、2000mに満たないながらも壁をそそり立たせ、多 くの登山者を拒み続けているようだ。
1週間前に風邪をひいてしまい谷川岳へは行くタイミングを計っていた。また、天気の良さそうな日を選んでいたところ、今日 の山行となった。今年は暖冬で雪が少ないとは言え、この時期の谷川岳ならまだまだ残雪の山歩きが楽しめるだろう。 谷川岳といえば十数年前、天神平に2度ほどスキーで訪れただけだった。最新型のロープウェイと立体駐車場は以前のものと較 べようがないほど素晴らしいものに変わっていた。天神平には観光客の姿がぱらぱらといった感じだ。山頂付近の大きな雲の固 まりが何とも気にかかる。10時、早速登山開始。ところどころ残雪があるゲレンデを突っ切って登山道へ入っていった。斜面 に沿って架けられた夏道は殆ど雪に覆われており、踏み後を頼りに歩いていった。だいぶ雪解けが進んでいるらしく、足元を勢 いよく雪解け水が流れている。腐った雪を踏み抜かないように注意した。気のせいか今日は体が重く感じられた。病み上がりが 災いしたのか、なかなか調子が出ない。1時間弱かかってようやく熊穴沢避難小屋に到着した。小屋の脇に標板があったので見 てみると、すでに半分の距離を越えており、ちょっぴり元気が出た。しかし、ここから先の天神尾根は今までよりも斜度が増し てくる。この辺りにはイワウチワがたくさん咲いていて、とても綺麗だった。しばらくすると天狗の留まり場という岩場にでた ので、ここで小休止とした。真正面には俎ーの山容が大きく迫ってきているが、山頂はすっかり雲の中であった。その先は一面 雪の広い斜面になり、ここを直登するとやがて肩ノ小屋に到着した。小屋には2人のおじさんが休憩していたので、こちらも休 憩したあと山頂へと出発した。トマの耳へは10分もしないで到着した。ガスガスで眺望はまったくない。しばらく粘ろうかと 思ったが、風が強くとても寒かったのでオキの耳へ向かう気にもなれず、早々と下山することにした。 ![]() ![]() フニテルに乗って天神平へ 雲が多く、あまり天気が良くない ![]() ![]() 夏道はまだ雪に覆われている 山頂方向に嫌な雲が流れてきた ![]() ![]() 熊穴沢避難小屋 天神尾根から天神平の眺め ![]() ![]() 肩ノ小屋を目指して雪の斜面を行く 肩ノ小屋でひと休み ![]() ![]() 3時間でトマの耳に到着。すっかりガスの中だ 可憐なイワウチワ <山行後記> 天気の良さそうな日を狙ったのだが残念だった。気象環境の厳しい山だけあり、これが この山の本来の姿なのだろう。魔の山も今ではロープウェイを使って手軽に登ることが できるので、まあ気が向いたらまた行ってみようかと思う。
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