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菅平牧場の駐車場に車を置き、外へ出てみると綺麗な青空が広がっていた。前回登ったときはまったく眺望が楽しめなかったが、
今日は最高な山歩きが出来そうだ。やって来たほうを振り返ると、そこには北アルプスの山並みがドカンと展開していた。穂高
から白馬にかけて一望のもとで、歩き始める前からこの眺めには感激した。さて、今回も同じように中尾根コースで登頂し、そ
こからは前回行けなかった根子岳へと渡ったあと駐車場まで戻って来る周回コースで行くことにした。これだけの好天、四阿山
だけではもったいない。8時55分、駐車場をあとにした。牧場の脇を進んで行き、その先を左に入ると登山道となる。大明神
沢に沿って行くとすぐに小さな橋があり、これを渡ると緩やかに登りが始まる。信州らしい綺麗な白樺林の中から上を見上げる
と、黄色く色付いた葉と澄みきった青空のコントラストが素晴らしい。白樺林を抜けると、視界が開け菅平高原とゲレンデが一
望でき、その向こうには先ほどの北アルプスのパノラマが広がっていた。さらに高度を上げると白樺にダケカンバが混ざる中、
やがて小四阿に着いた。小四阿を過ぎ岩場に変わり、雰囲気がこれまでとは一転してきた。道は明るく開放的で気分良く歩くこ
とが出来る。行く手に横たわる四阿山の姿は威風堂々としており、その斜面はところどころ紅葉が始まっていた。あと少し経て
ば見頃になのだろう。四阿山の隣に寄り添うようにある根子岳も見える。クマザサとそこにシラビソが点在する風景は、早くも
高山の風情を醸し出している。しばらく行くと道はガレた広い斜面となり、ここで小休止とした。うしろを振り返ると相変わら
ず北アルプスの山並みが凄い。再び歩きだし、次は小高い岩稜の中四阿だ。ここからの展望もなかなかのもの。中四阿からは一
旦下りとなるがすぐに急登となった。今日一番の急登かもしれないが、吹き渡る風が心地良く、それほど汗をかくこともない。
左手に見える根子岳の高さと同じくらいまでは来ただろうか。シラビソの林を抜け、さらに詰めて行くと根子岳分岐になってい
る頂稜にでた。小広いスペースでは数グループが食事や休憩などをしていた。山頂はすぐそこだ。先に続く木段をひと登りする
と四阿山に到着した。山頂は細長く、群馬県側に上州祠、長野県側には信州祠が祀られている。ほとんど通路と言ってもいいよ
うな場所に多くの登山者が休憩しており、こちらも場所を見つけ早速景色を楽しむことにした。根子岳の向こう、北アルプスの
山並みがなんと言っても素晴らしい。槍穂から後立山までの連なりがまるで屏風絵のようだ。その右には妙高山、火打山、焼山
の頸城三山が、さらに志賀と草津の山々が見える。眼下に広がる嬬恋高原の先には浅間山があるが、山頂部は雲がかかってしま
った。360度の絶景は飽きることがない。下からは次々と登山者がやって来る。早目に食事を済ませ、根子岳に向かうことに
した。先ほどの根子岳分岐まで戻り、急斜面を一気に下って行く。これが結構きつく、もったいないくらいに標高を失ってしま
う。下りが終わり、樹林帯を抜けると、四阿山と根子岳の鞍部にでた。ここからは四阿山と根子岳の両方を望むことが出来る。
一面の笹原に付けられた一本の道は根子岳に向かって続いている。笹原はまだ色濃く、緑の絨毯の中を歩いているようで気分爽
快だ。しばらくジグザグに登り、後を振り返るとさっきまでいた四阿山が大きく聳えていた。その山体を覆うシラビソから、笹
原へとガラリと変わる植生がおもしろい。幾つか小さなピークを越え、爆裂火口の縁を進んで行くとやがて根子岳に到着した。
こちらの山頂は広く、そこに人も少ないのでとても静かだった。この山は花の百名山で、時季には西側に広がる裾野にたくさん
の花が咲く。さて、わずかの休憩のあと下山開始。菅平高原に向かってしばらく下り、ダケカンバの林を越えるとやがて菅平牧
場の駐車場が見えてきた。帰りは1時間ほどで一気の下りだった。
![]() ![]() ![]() すでに駐車場から大展望が得られる 四阿山から登ることにする 牧場と白樺林からスタート ![]() ![]() ![]() 大明神沢を渡る ダケカンバの中を緩やかに登る 菅平高原を見下ろす ![]() ![]() ![]() ![]() 小四阿を過ぎたところから根子岳を眺める 根子岳の隣がこれから向かう四阿山 ![]() ![]() ![]() クマザサとシラビソの疎林 開けたガレた斜面で小休止 樹々の色付きはまだまだ
![]() ![]() ![]() 小ピークの中四阿 わずかに下ると樹林帯 根子岳への分岐点
![]() ![]() この木段を上がれば山頂はすぐそこ 2時間30分かかって四阿山に到着
![]() ![]() 根子岳を見下ろす。その先に広がる北アルプス 志賀、草津、万座の眺め
![]() ![]() 妙高山、火打山、焼山の頸城三山。奥には雨飾山 眼下に広がる嬬恋高原
浅間山は山頂をわずかに雲から出している
![]() 槍ケ岳から穂高連峰の眺め。画像ではその素晴らしさが表現できないのが残念
![]() 屏風のように連なる後立山連峰の眺めが圧巻。80kmにおよぶ北アルプスのほとんどが見える
![]() ![]() 根子岳との鞍部へ下る急斜面。本日一番の難所 開放的で気持ちの良い十ケ原にでる
ところどころぬかるんでいるためゆっくり下る ここから根子岳への登りとなる。青と緑がきれい
![]() ![]() 先ほどまでいた四阿山 ガレ場と3つくらいピークを越えると山頂はすぐ
笹原の十ケ原から延びる1本の道がよく分かる
![]() ![]() ![]() 四阿山から1時間15分ほどで根子岳に到着 こちらの山頂は広い 東屋まで下ってきた
眼下に広がる菅平高原の眺め ここからでも十分な眺めだ
![]() ![]() ![]() 東屋から根子岳を振り返り見る まもなく駐車場 登山口にある売店でカロリー補給
とっても美味しゅうございました
<山行後記> 登山道は白樺林、岩場、尾根、草原、樹林帯など変化に富み、飽きることなく歩けた。 さらに、終始、好展望が得られるところがいい。とくに四阿山からの眺望は最高だっ
た。コース上はまったく危険がなく、快適に楽しみながら歩けるが、唯一、四阿山か
ら根子岳への下りは一番気を使うところだろう。今回は天候にも恵まれ、充実した1
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