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群馬県の北部、周りを多くのスキー場に囲まれた武尊山は標高2158m。 その山域は大きく、主峰である沖武尊をはじめとして、剣ケ峰、前武尊、 中ノ岳、家ノ串など2000m級の峰々を連ねる。とくに、沖武尊から剣 ケ峰へと続く稜線の眺めは素晴らしい。 今日と明日で武尊山と浅間山を巡ることにした。どちらも行程が長いが、のんびり行くと しよう。武尊山のあとは、温泉が待っているので楽しみだ。 【 武尊山 --- 高峰温泉(泊) --- 浅間山 】
始めから失敗してしまった。東俣にある駐車場へ行く予定だったが、武尊牧場スキー場の駐車場へ行ってしまった。この時点で は気が付かなかったのだが。一段上がったところにスキー場のセンターハウスがあり、その先にゲレンデが続いている。リフト に沿って歩いたほうがいいのか、だが有刺鉄線が張り巡らされていたので中に入れず、ゲレンデ横の舗装された道路をクネクネ と登って行くことにした。しばらくすると左手に残雪をまとった武尊山が現れた。牧場の草原の向こうに見える山々がなんとも 絵になる風景だ。歩き始めて50分で三合平というキャンプ場にでた。ここがスキー場のトップのようだ。周辺案内図を見て初 めて、先ほどの駐車場が東俣でないことに気がついた。だいぶ余計に歩いたようだ。気を取り直して先に進むことにした。10 分ほどでようやく登山道の入口になった。すでに、ここまで随分歩いた気分だ。舗装路と別れを告げ、適度に木道が敷かれた緩 やかな登山道を登っていくと水芭蕉が咲いていたり、何やら映画のロケ地があったりと、とても気分が良い。ナラや白樺の林は 明るく、下から見上げると葉がきらきらとしてとても綺麗だ。この一帯は熊の目撃例が多く怖いので、藪漕ぎをするときは鈴を 大袈裟に鳴らしながら歩いていった。スタートして2時間弱で避難小屋に着いた。ここまで来るとかなり残雪があり、夏道はと ころどころにしか現れていない。残雪とぬたぬたの泥道を進んでいくと、やがて樹林帯を抜け、セビオス岳のテーブルを越え た。目の前には中ノ岳のピークがあり、その先に聳えているのが沖武尊の山頂であろう。山頂へと続く尾根からはたくさんの人 が下山してくる。中ノ岳手前の岩溝には2箇所の鎖場があるが、たいして距離がないので問題ない。が、しかし下山時に足を滑 らせドロドロになってしまった。中ノ岳を過ぎてからは尾根に沿って一直線なのだが、夏道が隠れているため雪の斜面を直登し たり、迂回したりしながら進むと間もなく前武尊との分岐だ。岩の上には日本武尊の像が建てられており、この山が信仰対象の 山ということが分かる。ここまで来ればあと一歩。駐車場から3時間50分で山頂に到着した。曇り空のため遠望は利かない が、至仏山と奥白根山は何とか見ることができた。山頂から伸びる稜線の先にある剣ケ峰や前武尊の姿はなかなか格好良い。 ![]() ![]() 武尊牧場スキー場の駐車場 ゲレンデに沿って脇の林道を進む ![]() ![]() ゲレンデ中間部を歩いていると武尊山が顔を出してきた 50分で三合平に到着。この先が登山道の始まり ![]() ![]() きれいな白樺林 映画「眠る男」のロケ地 ![]() ![]() 武尊避難小屋 樹林帯をそろそろ抜ける ![]() ![]() あのセビオス岳を越えて行く 剣ケ峰も姿を現した ![]() ![]() 3時間50分を要して沖武尊に到着 ![]() ![]() 山頂から続く稜線の先には剣ケ峰だ。この眺めは素晴らしい 中ノ岳の向こうにはセビオス岳。来た道を戻ろう 熊が多いらしい 武尊山は熊の目撃例が多いようだ。他の人が近くにいれば心強いのだが、ひとりに なると少しだけ怖い。とくに、三合平から避難小屋にかけては、きれいなブナ林が 続くのだが、とても落ち着いて観賞する気になれない。ほとんどの登山者が熊よけ の鈴をチャリチャリ鳴らしながら歩いていた。 <山行後記> 駐車場を間違えてしまったので登山口まではかなり時間がかかってしまった。しかし 新緑の牧場や残雪の尾根歩きができたのは、この時期ならではで、とても楽しかった。 登山道は全体的に緩く、また後半は天気が良ければ景色を見ながら快適に歩くことが できるだろう。
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