29浅間山


 ダイナミックな景観は活火山ならでは
あさまやま


(2568m)
                                                                            群馬県吾妻郡嬬恋村
                                                                            長野県北佐久郡軽井沢町・御代田町


          世界でも有数の活火山である浅間山。たびたび噴煙を上げ、いつ火山活
          動が活発化してもおかしくない。長野と群馬の県境に位置し、遠く離れ
          た場所からもその大きな山容を捉えることができ、圧倒的な存在感を放
          っている。


                        【 武尊山 --- 高峰温泉(泊) --- 浅間山


 2007年5月28日    晴/曇

 ・コース
  車坂峠⇔トーミの頭⇒草すべり⇒湯の平口⇒
  賽の河原⇔前掛山⇒鋸岳⇒仙人岳⇒蛇骨岳⇒
  黒斑山⇒トーミの頭

 ・行き 3時間15分 、 帰り 4時間00分

 ・標高差 551m 前掛山(2524m)まで

 ・歩程 19.0km
  


昨年9月に浅間山の火山活動度レベルが1に引き下げられ登山規制が緩和、浅間山第2外輪山の前掛山まで行くことができるよ
うになった。今後いつ状況が変化するか分からないので、いまのうちに登ってしまうことにした。
昨日の武尊山行を終えると、浅間山登山口に近い高峰温泉に投宿した。ここの温泉はとても気に入っており、何度も訪れたこと
がある。昨夜は何度も温泉に浸かり、足の疲れを癒した。9時15分、まずはトーミの頭を目指して車坂峠から中コースを歩き
出した。始めは明るく緩やかな道だが、その後は鬱蒼とした森の中をどんどん登っていくと、いきなり視界が開け、浅間山の外
輪山の上にでた。目の前にドカンと出現した浅間山の大迫力が凄い。これほどの浅間山を見たのは初めてだ。左側に一段上がる
とトーミの頭で、まずはここからの八ヶ岳、北アルプスの眺めに感動した。この先を登ると黒斑山だが、外輪山を内側へ向かっ
て急降下するように一挙に湯の平口まで下った。これが草すべりだ。笹が生い茂った狭いジグザグ道だが、下る分にはなかなか
面白いところだ。途中、2頭のカモシカをすぐ近くで見ることが出来た。湯の平口では車坂峠からトーミの頭まで稼いだ高度が
元に戻ってしまった。ここから浅間山本体への登りになる。平坦な道をしばらく行くと賽の河原で、左に進むと湯の平を通ってJ
バンド方面だが、ここは直進して浅間山に進路を取る。登山道は徐々に斜度を増していき、滑りやすい火山礫へと変わってき
た。頭上を見上げると山頂付近だろうか、手を伸ばせば届きそうで浅間の肩に乗っていることが実感できる。富士山の山頂直下
のような眺めだ。近いと思った山頂だが意外と距離があり、登っても登っても同じような景色が続く。しかし、左手の外輪山と
目線の高さが同じになり、いつしか越えると再び北アルプスが見えてきた。歩き始めて約3時間で山頂手前の火口壁に取り付い
た。立ち入り禁止のロープが張られており、直進することは出来ないので右に折り返して火口壁に沿って山頂へと向かった。こ
こまで来ると、辺りは月面を思わせる荒涼とした眺めで、完全に植生も失われている。噴火時の避難用シェルターが設置されて
いるところが、いかにも活火山らしい。行く手の一番高いところに山頂標が立っているのが見える。20分も歩くと前掛山の山
頂に到着した。山頂は独り占めだった。ここから500m離れたところに浅間山の火口がある。八ヶ岳は雲で隠れてしまった
が、北アルプスは何とか一望することが出来た。また、北に目を向けると四阿山、草津白根山、横手山がよく見えた。今日は宿
で弁当を用意してもらったので、昼食を摂りながらゆっくりと山頂で過ごした。このままピストンしたのではつまらないので、
一旦賽の河原まで戻り、湯の平を進む。Jバンドへの標高差約150mを一挙に登ると外輪山の上にでた。ここ鋸岳から仙人岳、
蛇骨岳、そして黒斑山までの尾根歩きはとても楽しかった。疲れていたが常に浅間山を見ながら、とても気分良く歩ける。黒斑
山から見る浅間山の姿は一番素晴らしかった。7時間30分で車坂峠へ帰還して浅間山を終えた。


 
          車坂峠で登山ルートを確認                       尾根に上がると目の前に剣ケ峰だ

 
           トーミの頭まで登っていく                    トーミの頭から北アルプスを一望する

 
         草すべりで湯の平口まで下りる                    ここまで稼いだ標高を一気にはきだしてしまう
  
        草すべり途中で2匹のカモシカに遭遇                         大迫力の浅間山

 
          草すべりを終えると湯の平口                          賽の河原から登り始める

 
          Jバンドから蛇骨岳への尾根                           月面を思わせる風景

 
       火口壁に出ると再び北アルプスが現れる                        あそこが前掛山だ

 
          3時間15分で前掛山に到着                        嬬恋村の先には四阿山が聳える

 
       Jバンドから歩いてきたところを振り返る                      湯の平に延びるひとすじの道

  
           鋸岳                        仙人岳                       蛇骨岳

 
         黒斑山から見る浅間が一番いい                         歩いてきた外輪山の眺め

 
          毎度お世話になる高峰温泉




        <山行後記>
          いままで近くから遠くから見ていた浅間山だが、登ってみると改めてその良さが
          分かった。豊かな新緑から荒涼とした大地へと環境の変化が素晴らしい。今回の
          コースは登り降りの標高差が大きく、連続しているので他のコースと較べて健脚
          コースと言える。前掛山まで行けない場合でも、黒斑山から鋸岳へかけての尾根
          歩きは手軽に最高の景色を楽しむことが出来るので、お薦めのコースだ。



       5月27日 武尊山





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