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八ケ岳連峰は多くの湖沼や原生林に覆われた北八ケ岳と、荒々しい峰々が 連なる南八ケ岳からなる山塊である。主峰である標高2899mの赤岳を 中心に横岳、阿弥陀岳、権現岳へと続く山容はダイナミックで、夏の稜線 には可憐な高山植物が咲き競う。 少し早いが紅葉を楽しみながらの山歩きを計画した。 3日間で4座を巡る予定である。眺望も楽しみな山なので天候に恵まれれば良いのだが。
【 八ケ岳 --- 蓼科高原(泊) --- 霧ケ峰 --- 美ケ原 --- 開田高原(泊) --- 御嶽山 】
早く登ってみたかった八ケ岳についにやって来た。登山口は美濃戸で、赤岳山荘の駐車場には意外と早く着いたので、車の中で 仮眠することにした。外はかなり冷え込んでいるようで、車内も寒かったため早く歩き出したかったが、十分明るくなった6時 20分に出発した。すぐに美濃戸山荘があり、この先で北沢と南沢にコースが分かれる。南沢を進むと林の中に登山道が続いて おり、まずは第一の目標地点である行者小屋を目指すことにした。少し寒いが天気は良く、快適に歩くことができる。色づき始 めた樹々を眺めながら、気分良い山歩きを楽しむ。今日は時間に余裕があるのでのんびりだ。ところどころ急な箇所があるもの の、全体的には緩い登山道を時間を掛けて進んで行く。すると樹林が開け、白河原と言うところにでた。小さな岩がゴロゴロし た涸れた河原のような道をしばらく歩くと、再び林の中へと入って行った。そろそろ休憩でもしようと思っていた頃、行者小屋 に到着した。小屋の前には多くの登山者がおり、その中に混ざり休憩することにした。ここからは赤岳や横岳の荒々しい眺めが バッチリだ。山頂へは文三郎道と地蔵尾根からアプローチできるが、楽そうな後者を選択した。ここまで約2時間歩き、距離の 割りにはあまり高度を稼ぐことができなかったが、あとは地蔵ノ頭へ向かって標高差350mを一気に上っていく。文三郎道よ り楽とは言え、かなりの急登でその厳しさが予想できる。今まで温存していた力を使っての登りだ。ここからはみるみる高度が 上がっていき、先ほどの行者小屋があっと言う間に小さくなった。何箇所かの梯子を越え、喘ぎながらひたすら登り続けると、 右手には赤岳天望荘から山頂へと続く素晴らしい眺めが展開した。急登を約1時間で地蔵ノ頭にでたので、ここで小休止としよ う。すでにこの時点でいい眺めだ。気持ちの良い緩やかな稜線を進むと、すぐに赤岳天望荘に着いた。風力発電用の風車がたく さん設置されており、何だか格好良い。さて、いよいよ最後の仕上げだ。狭く滑りやすい斜面をゆっくり登って行くと、やっと 山頂に到着した。赤岳頂上小屋があるのが北峰で、南峰が最高点となる。山頂からは最高なパノラマだった。まず、甲斐駒ケ 岳、北岳、鳳凰山などの南アルプスがいい眺めだ。中央アルプスや北アルプスもいい。また、蓼科山へと続く八ケ岳の峰々も一 望のもとだ。隣の横岳や中岳へも行ってみたかったが、疲れた足にはかなりきつそうだったのでやめることにした。その分、た っぷりこの景色を楽しんだあと下山することにした。 ![]() ![]() ![]() 赤岳山荘の駐車場 歩きだすとすぐに美濃戸山荘がある しばらくは眺望のない道を行く ![]() ![]() 白河原を過ぎると展望が得られる 行者小屋に着いたので休憩する ![]() ![]() 阿弥陀岳が頭を出している 地蔵尾根から振り返ると行者小屋が小さく見える ![]() ![]() 赤岳がだんだん近づいてきた 横岳直下の岩峰 ![]() ![]() 地蔵ノ頭まで上がればもうひと息。その前に休憩 赤岳天望荘はそのまま通過 ![]() ![]() 急に落ち込む東側の斜面 急登を終えると頂上小屋がある ![]() ![]() 4時間で赤岳に到着 阿弥陀岳の向こうに中央アルプス ![]() ![]() 蓼科山へと続く八ケ岳の眺めが素晴らしい 権現岳の向こうには南アルプス ![]() ![]() 天望荘を挟んで横岳 きれいな色付きを見せる木々 <山行後記> 行者小屋までは長い歩きとなるが、紅葉でも愛でながら楽しく行きたいところだ。 登りの核心部は行者小屋から地蔵尾根のピークまでで、全体の中ではそれほどの 時間は掛からない。頂上からの眺望は文句なしの特筆ものだ。すがすがしい天気 のもと、快適な山歩きができ、八ケ岳はいい思い出の山となった。
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