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北アルプス南端、乗鞍岳からの延長線にあるのが御嶽山である。長野と 岐阜の県境に位置しており、今も噴煙を上げている活火山であるととも に、古くから信仰の山としても知られている。最高点は標高3067m の剣ケ峰で、ほかにいくつもの峰々を連ねているその巨峰はかなりの存 在感がある。 【 八ケ岳 --- 蓼科高原(泊) --- 霧ケ峰 --- 美ケ原 --- 開田高原(泊) --- 御嶽山 】
昨日のハイキングから、今日は3000m峰の山登りだ。と言っても、この山はスタート地点の標高も高く、比較的登りやすい 山だという。開田高原の宿を出ると、急いで田の原にある登山口に車を飛ばした。手前のスキー場を抜け、九十九折の道でぐん ぐん高度を上げていくと立派な駐車場に到着した。ここは6合目ですでに標高は2000mを越えている。準備を整え、9時過 ぎに出発した。鳥居をくぐると緩やかな道がまっすぐと延びており、その先には御嶽山がでんと控えている。山頂付近に少し雲 があるが、まずまずの天気だ。まだ早いようだが紅葉のマーブル模様が綺麗である。道は砂利から木段に変わり、徐々に高度を 上げていく。振り返ると下の駐車場から随分歩いて来たことが分かる。その向こうには南アルプスの眺めだ。あかっぱげを過 ぎ、40分で幾つもの祠が点在するちょっとしたスペースに出たので、ここで小休止とした。他の登山者と雑談をしながら息を 整える。さて、先ほどより雲が増えてきたようなので先を急ぐことにした。岩が転がり、足場の悪くなった道を更に40分ほど 登ると水場に着いた。一口水と書いてあり、名前のとおりちょろちょろと岩を伝わって流れ出していた。見上げると次第に青空 が広がって、そこに小屋が建っているのが見えた。大滝頂上山荘だ。眺望の良い道をひと踏ん張りすると大滝頂上に着いた。下 から見ると、ここが山頂だと思ったが違っていた。山荘脇の階段を進むと御嶽神社があり、その先にはこれまでとはまったく違 った光景が広がっており、その変化に驚かされた。草木が一本も生えていない、荒涼とした火山特有の世界だ。左手の斜面の割 れ目からは勢いよく煙が噴出している。外輪山のザレた斜面の先には、目指す剣ケ峰の頂上が姿を現した。あとは最後のひと踏 ん張りだ。頂上直下の山小屋、旭館から最後は階段を登ると御嶽山剣ケ峰に到着した。幸いにも山頂の雲は取れ、青空が広がっ ていたが、遠くアルプスの山々は雲に覆われてしまっていた。しかし、山頂周辺の眺めは素晴らしい。全方向視界のパノラマ と、3000m級ということで高度感抜群である。御嶽山には5つの火口湖があり、眼下のカルデラにはそのうちの2つが口を 広げていた。一ノ池は涸れているが、日本で最高所の湖沼である二ノ池はエメラルドグリーンの水を湛えており、青空をバック にとても絵になる光景だ。 ![]() ![]() 登山口へ向かう途中から見た御嶽山全景 田の原駐車場(下山時) ![]() ![]() 鳥居をくぐって出発 始めは平坦な道が続く。山頂はまだ見えていない ![]() ![]() 雲が流れているがまずまずの天気だ あかっぱげから田の原を見下ろす。南アルプスは隠れてしまった ![]() ![]() ちょろちょろと流れ出る一口水 もうすぐ大滝頂上山荘 ![]() ![]() ここで山頂が現れた。大滝頂上からは荒涼とした眺めが展開する 斜面の割れ目から火山ガスが噴出している ![]() ![]() 八丁ダルミはガレた急斜面 旭館の裏の階段を登ると山頂にでる ![]() ![]() 2時間10分で御嶽山剣ケ峰に到着 二ノ池は日本最高所にある湖沼らしい ![]() ![]() ぱっくりと口を開けた一ノ池は涸れている 山頂に建つ御嶽神社 ![]() 紅葉を眺めながらの下山 <山行後記> 登山口からほぼ直登するコースだが、あまりきついところは無く比較的登り易い 3000m峰と言えるだろう。開放的で眺めの良い潅木帯から、噴煙の上がる火 山特有の世界へと変わる環境が良かった。時間に余裕があれば、山頂のお鉢めぐ りもしたいところだ。人も少なく静かな山行を楽しむことができた。
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