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北海道のほぼ中央に位置し、十勝岳連峰の主峰が十勝岳である。美瑛岳 富良野岳をはじめ幾つもの峰を連ねる活火山だが、比較的なだらかな山 容から誰にでも登頂することができる。周囲には多くの火口が口を広げ 火山特有の荒々しい豪快な風景を間近に見ることができる山だ。 先月の夏期休暇にツーリングで旭川を訪れた際に十勝岳に登ろうと考えていたのだが 生憎時間がなく実行できなかった。
以前から早く登ってみたかった山なので、今回の北海道遠征では
明日のトムラウシ山とあわせて登ることにした。 【 旭川空港 --- 十勝岳 --- トムラウシ温泉(泊) --- トムラウシ山 --- 旭川空港 】
一番の飛行機で旭川に下り立つと、レンタカーを飛ばして登山口のある望岳台へやって来た。上空は薄い雲の間に晴れ間が広が っているが、山頂は完全に雲に覆われておりその姿を伺い見ることは出来ない。天気が良くなることを祈り、急いで出発した。 真っ直ぐに伸びる緩やかな溶岩流の道をしばらく歩いて行く。もともと花の多い山ではないようだが、咲き残ったチシマギキョ ウがところどころに見える。振り返ると広大な十勝平野が広がっている。いかにも北海道らしい眺めだ。40分ほど経つと美瑛 岳との分岐に着いたので、ここで小休止することにした。再び歩き出すとすぐに避難小屋が建っていた跡地にでた。現在ではち っぽけな何かの小屋になっている。この辺りから上りの斜度が増し、ジグザグをしばらく繰り返すと尾根に出た。雲の中へと続 く尾根はよく踏まれた火山礫の道で、緩やかで歩きやすくとても快適だ。ペースアップを図ろうと思ったが、先ほどから神奈川 から来たとかいう話好きのネエちゃんにつかまってしまい、思うように歩けない。諦めてのんびり行くことにすると次第に雲が 流れ、初めて十勝岳が姿を現した。道の左右には火口が点在しており、特にグラウンド火口はとても大きな口を広げている。そ れにしてもこの尾根道からの眺めは素晴らしい。なんとも言えない幻想的な風景で今まで見たことのないものだ。周りには赤ト ンボがたくさん飛んでおり、本格的な秋の訪れを感じる。緩やかな道が終わると次は山頂直下へと続く急登にさしかかった。こ このガレ場が厄介で、不安定な火山岩の下には柔らかい土があり、やたら歩きにくい。これを何とか越えると目指す山頂はすぐ そこだ。左へ折り返し、20分ほど踏ん張ると十勝岳山頂に到着した。残念ながらこの曇り空のおかげで山頂のすぐ周りしか見 ることができなかった。本来なら十勝岳連山をはじめ、大雪山系まで一望のもとなのだが。明日登る予定のトムラウシ山もすっ かり雲の中だ。件のネエちゃんはこの後、美瑛岳まで行ってみるそうだ。こちらは下山後も急がなければならないので、そろそ ろ山頂をあとにして望岳台まで戻ることにしよう。駐車場まであと一息というところで突然の雨に見舞われ散々な目に遭ってし まった。 ![]() ![]() ![]() 空港から車を飛ばし望岳台へ 9時50分、歩き始める はじめは緩やかな道が続く ![]() ![]() 曇っているが、眼下には雄大な眺めが望める 美瑛岳との分岐。まだまだ先は長い ![]() ![]() 避難小屋跡。次第に道は斜度を増してくる ジグザグを繰り返し尾根まで登っていく ![]() ![]() 尾根の両側は荒々しい眺めだ ここの斜面はやたらと歩きづらい ![]() ![]() ガスが消え、山頂が見えてきた。もう少しだ 3時間5分で十勝岳に到着 ![]() ![]() 明日登るトムラウシ山の方向はガスで見えない 美瑛岳へ延びる縦走路 ![]() ![]() こちらは上富良野岳への縦走路 そろそろ下山することに ![]() ![]() とても幻想的な風景が広がる どこを見ても凄い眺めだが、晴れていれば。。。 <山行後記> 胸のすくような眺望は得られなかったが、快適な山歩きをすることができた。とくに山頂 周りの幻想的な風景は想像以上で、この山ならではのものだろう。再び訪れる機会があれ ば、美瑛岳や十勝岳温泉、富良野岳への縦走もしてみたい。
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