83立山


 花に彩られた天空の回廊を行く
たてやま


(3015m)
                                                                                    富山県中新川郡立山町


         日本三名山のひとつ、立山は最高峰の大汝山、主峰の雄山、そして富士ノ
         折立の総称である。古くから山岳信仰の対象とされ、また、ライチョウや
         多くの高山植物を見ることができる。周辺には室堂平、称名滝、弥陀ヶ原
         などの素晴らしい景観が広がり、日本を代表する山岳観光地として有名だ。
         立山黒部アルペンルートにより誰でも手軽にこの景観を楽しむことができ
         る。


       会社の夏期休暇を利用して、黒部五郎岳、鷲羽岳、水晶岳に登ろうと有峰湖畔にある登山口まで
        やって来たのだが、朝から小雨が断続的に降っており、テンションがた落ち状態だ。
              登ろうか否か決心できないまま時間がたってしまった。
          翌日からは好天になるようだが、明朝までここで待つわけにもいかない。
             結局、先週予定していた立山、剱岳に決め、扇沢に移動した。

                  【 立山 --- 剣山荘(泊) --- 剱岳 


 2009年8月15日    晴/曇

  ・コース
  室堂⇒一ノ越⇒雄山⇒大汝山⇒富士ノ折立⇒
  別山乗越⇒剣山荘(泊)

 ・行き 2時間15分 、 帰り 3時間50分
                   (剣山荘まで)
 ・標高差 565m

 ・歩程 7.2km
  



翌朝、目が覚めて車の外に出てみると、まずまずの天気だった。朝の清々しい空気を吸い込み、扇沢駅からトロリーバスに乗り
込んだ。室堂には8時30分に着いた。水を補給して早速歩きだす。石畳の上を多くの観光客が行き交っている。両側に咲いて
いる高山植物を眺めながらしばらく行くと、一ノ越への登りが始まった。雲は多少出ているが、陽射しもたっぷりある。岩の上
ではライチョウが気取ったポーズをとっていた。後半は勾配がきつくなってきたが、ゆっくりと一定リズムで歩いて行くと、4
5分で一ノ越に到着した。ここまで標高差300mだが、眼下には室堂平、その向こうに大日岳、東の方角には後立山連峰や槍
ケ岳などを望め、すでに十分な眺望と高山の雰囲気を得られる。雄山へは北へ続く稜線を登って行くが、ここから道はさらに険
しくなる。のんびり1時間ほど歩けば主峰の雄山だ。霊峰らしく、雄山神社が祀られている。が、すぐ脇のトイレから漂ってく
る悪臭が雰囲気を壊している。雄山を越えて縦走を続けることにした。岩ゴロのザレた道だが登りはきつくない。ここまで来る
と観光客の姿はだいぶ減ってきた。間もなく大汝山に到着だ。ここが立山の最高峰となる。眺望抜群。特に鹿島槍ケ岳から白馬
三山へかけての後立山の山並みが素晴らしい。山頂は狭いが、人が少ないのでゆっくり景色を楽しむことができた。大汝山休憩
所の横を通り、さらに先へ進んで行く。稜線上の礫岩帯にはチシマギキョウやトウヤクリンドウ、イワツメグサなどの花がたく
さん咲いている。足元の花と周りの眺望で、気分良い稜線歩きができる。しばらく進むと目の前に小高い岩山があり、これを上
り詰めたところが富士ノ折立だった。眺めはここまでで一番のところだ。360度どこを見ても最高のパノラマが展開し、さら
に、黒部湖の碧い湖面も俯瞰できた。一旦、下って稜線をさらに歩いて行く。高度がグンと下がり、内蔵助カールの上部に出
た。真砂岳を巻いて行くと、前方にこんもりとした別山が現れた。この最後の登りを終えると別山に到着した。ここは剱沢、立
山、雷鳥沢へと分かれている要所で、多くの登山者が休憩していた。正面には明日挑む剱岳があるのだが、雲が広がってきてし
まい、その全体を見ることはできない。とりあえず、別山乗越のコルにある剱御前小舎まで下ってきた。本日の目的地である剣
山荘まではあと一息だが、ここからどう行くか。剱沢に下ろうとも考えたが、剱御前の山腹をトラバースするコースに決めた。
このコース上には何か所か残雪があり、そこには水場もある。さらにお花畑が広がり、ついつい歩調が緩んでしまう。右手に広
がる剱沢のテン場には、色とりどりのテントの花が咲いている。谷を挟んだ反対側には今夜の宿、剣山荘が見えてきた。そし
て、剱御前小舎から1時間ほどのんびり歩くと、14時40分に剣山荘に到着した。早速、宿泊の手続きを済ませる。夕飯まで
はまだ時間があるので、玄関先でビールを飲みながらゆっくりすることにした。明日はいよいよ剱岳アタックだ。


 
               8時30分、室堂に到着                       天気は上々、まずは一ノ越を目指す

 
         岩の上で気取ったポーズをとるライチョウ君              眼下にはみくりが池、その先に大日岳と奥大日岳

 
      45分で一ノ越に到着。たくさんの人が休憩していた                 雄山への登りはさらに斜度が増す

     
                さすがと言わずにはいられない大パノラマ。息をのむような眺めをしばし堪能する
     右手から薬師岳、黒部五郎岳、赤牛岳、水晶岳、槍ケ岳、野口五郎岳、大天井岳。裏銀座から表銀座の名峰がずらりと並ぶ
 
                                             雄山に到着。山頂に祀られている雄山神社には行かなかった

 
     雄山から立山縦走となる。道が険しくなり、人が減ってくる                眼下の黒部湖と針ノ木岳

 
               ひと際目立つ槍ケ岳                       2時間15分で立山の最高点、大汝山に到着

 
       後立山連峰の眺め。奥には北信の山々も見える                     間もなく富士ノ折立だ

 
           この岩場のてっぺんが富士ノ折立                       2時間50分で富士ノ折立に到着

 
   内蔵助カール上部には快適な稜線が続く。剱岳も姿を現した

 
    別山南峰に到着。次第に雲が広がり、剱が隠れてしまった                別山乗越に建つ剱御前小舎

 
              剱沢のキャンプ場と小屋                    剣山荘へは剱御前の山腹をトラバースして向かう

 
              6時間5分で剣山荘に到着                       荷物を下ろし、お楽しみの時間だ



          剣山荘
          2007年にリニューアルした綺麗で快適な山小屋。トイレは水洗で、水もよく出る。
          おまけにシャワーまで完備している。剱岳に一番近いので、剱岳にアタックするに
          は最適。小屋の周りはお花畑になっており、たくさんの花が目を楽しませてくれる。
          当日はお盆休みだったので、かなりの混雑を予想していたが、1枚の布団でゆった
          りと過ごすことができた。



        翌日の 剱岳 





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