38羅臼岳


 羅臼平の花ばなと山頂からの眺望が魅力
らうすだけ


(1661m)
                                                                            北海道目梨郡羅臼町・斜里郡斜里町


          羅臼岳はオホーツク海に突き出た知床半島の真ん中に位置し、知床連山
          では最高峰で主峰となる山である。下部の原生樹林帯から上部の高山植
          物など、知床の自然の素晴らしさを味わえる山として人気がある。


   【 女満別空港 --- 斜里岳 --- ウトロ温泉(泊) --- 羅臼岳 --- 雌阿寒温泉(泊) --- 阿寒岳 --- 女満別空港 】


 2007年7月27日    

 ・コース
  岩尾別温泉⇔オホーツク展望台⇔650m岩峰⇔
  弥三吉水⇔極楽平⇔大沢⇔羅臼平⇔岩清水⇔
  羅臼岳

 ・行き 4時間30分 、 帰り 2時間35分

 ・標高差 1441m 
          
 ・歩程 14.0km
  


岩尾別温泉のホテル手前の路肩に車を置き、身支度を整える。ホテルの脇を進むと木下小屋があり、その横に登山道が伸びてい
る。8時15分、登山届けを書き歩き出した。明るい林の中を行く登山道は自分好みでとても歩きやすい。30分でオホーツク
展望台に着いた。先着していたおばちゃん連中と海を見ながら小休止。その先の650m岩峰付近にはアリの巣が集中してお
り、それを狙うヒグマが頻繁に出没するらしい。足元を見ると確かにたくさんのアリが這っていた。とにかく熊だけには会いた
くないものだ。ヒグマ出没多発地帯を過ぎると弥三吉水に出た。この水場は秋でも涸れることがないそうだ。水筒に水を汲んで
再び歩き出した。すぐに極楽平で、この前後は緩やかな上りが続いた。今日は天気が良く、足取りも軽く順調に距離を稼いでい
く。仙人坂に達すると頂上まで約3km、もうそろそろ半分を過ぎるころだろうか。つづら折れの坂を登って行くと銀冷水に出
た。ここも水場らしいが少々怪しかった。すぐ脇ではエゾシカが木の葉をつついていた。しばらくして樹林を抜けた所が大沢入
口で、行く手には雪渓が待ち構えている。この時期でも随分と雪があったが、腐れ雪なのでアイゼンは必要なく、楽に越えるこ
とが出来た。振り返るとオホーツク海が遥か彼方だ。道の両側には綺麗な花が多く見られるようになり、やがて羅臼平にたどり
着いた。そばにはテン場があり、ここで羅臼岳を眺めながら休憩することにした。青空に映える頂上のドームが印象的だ。さ
て、そろそろラストスパートにしよう。ハイマツの中を徐々に登って行くと、頂上直下の岩稜帯に取り付いた。もう一息という
所には岩清水があり、苔を伝って流れ落ちてくる水は冷たくて美味しかった。疲れていたので、ついついガブ飲みしてしまっ
た。息を切らせながらゆっくり登って行くと、ついに羅臼岳山頂に到着した。昨日登った斜里岳の方向は少し雲がかかっている
が、それ以外はいい眺めだ。まず目の前の三ツ峰、サシルイ岳が目に飛び込んできた。また、知床峠へと続く横断道路が原生林
の中を走っている。この知床峠からはこれまで何度もこの山を見上げたことがあった。さらにウトロの街や知床五湖も俯瞰する
ことが出来た。その先に目を転じると爺々岳、ルルイ岳を擁する国後島まで望める景観は感動ものだ。今日はこの後、雌阿寒温
泉まで行かなければならない。そろそろ下山することにするか。


  
    岩尾別温泉にある木下小屋            オホーツク展望台を通過        オホーツク海が広がる。眼下に知床五湖

 
           弥三吉水で給水をする                         極楽平に着くと羅臼岳が顔を出す

 
       大沢入口からはしばらく雪渓歩きになる                       大沢の途中から振り返る

 
         羅臼平はとても開放的なところだ                         羅臼平を挟んで三ツ峰

 
          山頂の溶岩ドームが特徴だ                       この岩清水は冷たくて美味しかった

 
         山頂手前の岩場は花を見ながら                     4時間30分かかって羅臼岳に到着

 
          原生林を貫く知床横断道路                        硫黄山へと続く山並み。最高の眺め

 
       雲がどけば斜里岳まで遠望できるのだが                   ぽっかりと浮かぶ島影は国後島だ




                             【 羅臼岳で出会った花たち 】

      
             エゾキンバイソウ               ゴゼンタチバナ                 イワギキョウ

      
               チングルマ                  エゾコザクラ                  ウコンウツギ

      
              メアカンフスマ




        <山行後記>
          大沢までの道程は長く単調だが、その後は雪渓、羅臼平、岩登りと変化があり楽しませ
          てもらえる。適所に水場があるのもありがたい。何より登山道を彩る高山植物が素晴ら
          しく、見ていて飽きることがない。また、心配していたヒグマに遭遇せずに済んだのも
          良かった。天候に恵まれ満足の一日だった。



       7月26日 斜里岳へ 、 7月28日 阿寒岳





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