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焼岳は北アルプス唯一の活火山で、この山域にあって標高は決して高くは ないが、この山の噴火によって生まれた大正池とともに上高地を代表する 眺めの一つだろう。山頂は双耳峰で最高点は南峰だが火山ガスのため立ち 入りが禁止されている。 もうそろそろ北アルプスからは雪の便りが届きそうだ。 今日は北アルプスでも登り易そうな焼岳と乗鞍岳に登頂し、その後は小谷温泉に移動する。
明日は雨飾山をやっつけることにする。
安房峠方面へ進み、中ノ湯温泉を過ぎた10号カーブ付近にある登山口に夜中に到着した。翌日に備えてすぐに睡眠した。5時 過ぎに起き、しばらくボケーとしたあと、ゆっくり準備をする。駐車スペースからは朝日を浴び、赤くなり始めた穂高岳が綺麗 に見える。数人の登山者と一緒に6時に歩き出した。まだ太陽が出ていないので林の中は薄暗い。それほど急ではないが、着実 に高度を上げているのが分かる。はじめは乾燥していた道も、しばらくすると水溜りや泥濘のため歩きづらくなり、靴が次第に 汚れてきた。陽が差してきたが、気温が上がらないのであまり汗をかかない。やはりこの時期の登山は快適だ。1時間ほど林の 中を歩くと、突然視界が開け、焼岳の山頂付近が姿を現した。南峰と前衛峰との間に噴煙を上げているのが目指す北峰になる。 先に居た人たちと一緒にここで小休止することにした。この先は山頂手前の鞍部まで小さなモレーンを登っていくことになる。 狭い登山道はほぼまっすぐ伸びており、ところどころスリッピーだ。分かりづらいが、左手に聳える南峰に続く分岐があり、こ ちらを二人が登っていった。ゆっくり歩き続けると、1時間で南峰と北峰とのコルにでた。この裏側には綺麗な山上湖があり、 なかなか良い雰囲気を醸し出している。すぐ目の前には噴気孔があり、轟音とともにもの凄い勢いで噴煙を吐き上げていた。臭 気もかなりのものだ。ここまで来れば山頂まであと一息で、噴気孔を巻くように数分行くと北峰山頂に到着した。まず目に飛び 込んできたのは穂高連峰だ。涸沢のカールまでくっきりと見ることができ、さらにその向こうには槍ケ岳だ。左手には若干雲が かかっているが飛騨の名峰、笠ケ岳がそそり立っている。眼下には上高地で、梓川のゆったりした流れがとても印象的だ。南に 目を向けると、雲の上に頭を覗かせた乗鞍岳がある。ぐるり360度のパノラマは最高で、いつまでも眺めていたいものだ。と ころで南峰は火山ガス噴出のため登頂禁止というのだが、まったくそのような気配がなく、頂上には数人が上がっていた。むし ろこちらのほうが危険のような気がするのだが。ここで朝食を済ませ、しばらく景色を楽しんだあと下山することにした。今日 はこれから乗鞍岳に行かなければならない。 ![]() ![]() 駐車エリアの脇にある登山道入口 モルゲンロートに染まる穂高岳 ![]() ![]() 下堀沢出合手前からの焼岳。左が南峰で隣奥が北峰 コルに向かってモレーンを緩やかに登って行く ![]() ![]() 激しく噴煙を噴き出しているすぐ脇を進む コルに上がり振り返る ![]() ![]() 2時間30分で北峰に到着。360度の眺望だ 眼下には正賀池。向かいの南峰にも人がいた ![]() ![]() 上高地と梓川を俯瞰する 飛騨の名峰 笠ケ岳 ![]() ![]() 穂高連峰の迫力ある眺めと槍ケ岳 次はあの乗鞍岳を目指す ![]() 下山時の駐車場は車で一杯になっていた <山行後記> 久しぶりにいい天気で最高の眺めを楽しむことができた。特に槍穂は素晴らしかった。 登山道は分かりやすく、危険な箇所は無い。南峰のほうが火山活動が安定しているよう に見えるのだが、そちらへの登頂が禁止されているところが理解できなかった。しかし すがすがしい天候のもと、気分良い山行ができた。
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