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鳥海山は標高2236mで、燧ケ岳に次いで東北第2の高山である。 日本海の海抜0mから一挙に立ち上がり、どっしりとした山容は出羽 富士とも呼ばれ威風堂々としている。夏でも雪渓を抱き、高山植物が 咲き乱れるこの山は、東北を代表する山のひとつだろう。 【 東北山巡りウィーク 】 8/15 8/16 8/17 盛岡(泊) --- 岩手山 --- 酸ケ湯温泉(泊) --- 八甲田山 --- 岩木山 --- 盛岡(泊) --- 早池峰山 --- 8/18 8/19 8/20 酒田(泊) --- 鳥海山 --- 鶴岡(車中泊) --- 月山 --- 蔵王山 --- 白布温泉(泊) --- 吾妻山
酒田市の宿を発つと鳥海高原ライン終点の登山口に到着した。今日も相変わらずのぐずついた天気で、登る前から気が滅入る。 準備をすると7時50分に出発した。緩やかな道を10分ちょっと歩くと滝の小屋に出た。ホースを伝って上の方から水が流れ 落ちてきており、果たしてこの水が飲めるのか判らなかったが、とりあえず水筒に汲んでおいた。まずは沢を渡ると、灌木帯を 登って行く。しばらくすると小さな滝が現れ、その脇には残雪が少しあった。下には先ほどの小屋と、そこから延びる細い登山 道が、くねった蛇の様に見えた。ここから先が八丁坂で、次々と小高い丘を越えて行くことになる。同じような景色の中をもく もくと1時間ほど進むと河原宿の小屋に着いた。小屋の前に座り休憩することにした。小屋番のオヤジに頂上までの状況を聞い た後、再び歩き出した。河原宿からは緩やかな道が続く。雪解け水が川になって流れており、一口飲んでみたが美味しかった。 どうやら下の小屋の水場はここから取水しているようだ。見晴らしは良くないが、辺り一面には高山植物がたくさん咲いており 気持ちの良いところだ。ニッコウキスゲ、ノアザミ、ハクサンフウロ、コバイケイソウ、ハクサンシャジン、イワイチョウなど 次々に現れる植生の変化がおもしろい。やがて大きな心字雪渓が現れ、それに沿って行くと横断するポイントになった。ガスっ ており対岸がはっきり確認できない。踏み跡も付いていないが適当に渡ると赤ペンキを発見できた。登山道は斜度を増し、そこ を坦々と進んで行くと2つ目の雪渓だ。雨は何とか降らずにいるが、暑いことには変わりない。河原宿から2時間かかり、御浜 と山頂方面との三叉路に出た。かなり標高も高くなってきたようで、晴れていればなかなかのロケーションのはずだ。ここでし ばらく休憩することにした。すると先に休んでいたご夫妻がお弁当を提供してくれたので、有難くいただくことにした。休憩 後、再び歩き出して20分ほどで外輪山の七高山への分岐になる。一旦、岩の道を急降下することになるが、大した距離ではな い。下りきったところにも雪渓があり、近くには水場があった。この先を程なく進むと山頂の御室小屋に出た。その周りではツ アーで来ている一団をはじめ、多くの人が食事や休憩をしていた。鳥海山は遠目の優雅さとは対照的に、外輪山の内側は荒々し さがある。最高地点へは新山溶岩ドームのガレの急登を行くが、足を踏み外すと大けが間違いなしだ。そこを10分ほど登ると 山頂に到着した。山頂は狭く、5人も立つといっぱいになりそうで、写真撮影の順番待ちができていた。御室小屋まで戻ると、 そこで買ったビールを飲みながら一息ついた。天気の良し悪しに関わらず山頂で飲むビールは最高だった。 ![]() ![]() 鳥海高原ライン終点の登山口 すぐに滝の小屋に到着する ![]() ![]() 八丁坂の入口から振り返る 河原宿小屋で小休止する ![]() ![]() 一面のニッコウキスゲ 心字雪渓は対岸が見えず慎重に ![]() ![]() 御浜分岐で小休止する。ここにいたご夫妻に弁当を分けてもらう ようやく御室小屋に到着 ![]() ![]() 新山手前にある巨岩の割れ目を行く 相変わらずの天気のなか鳥海山に到着 ![]() ![]() ![]() ハクサンシャジン ゲンノショウコ ニッコウキスゲ ![]() ![]() イワイチョウ チングルマ <山行後記> 登り出しから灌木帯が続くので、本来なら終始展望に恵まれるだろう。河原宿周辺 の高山植物の群生は見事で、いつまでも見ていたいものだった。登山道は幾つもの 雪渓や岩登りなどの変化があり、飽きることがない。山頂から望む日本海を期待し ていただけに残念だったが、まあ気分良く歩くことが出来た。季節を変えて再訪し てみたい山だった。 岩手山 --- 八甲田山 --- 岩木山 --- 早池峰山 --- 鳥海山 --- 月山 --- 蔵王山 --- 吾妻山 ![]() |
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